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問18から問23 令和2年8月の問題
問18 労働基準法の定めに関する次の記述のうち、正しいものを2つ選び、解答用紙の該当する欄にマークしなさい。なお、解答にあたっては、各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。
1. 使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を1年間保存しなければならない。
2. 使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。また、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。
3.使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少くとも45分、8時間を超える場合においては少くとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
4. 労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、1年を超える期間について締結してはならない。
問18 正解 2、3
1. 1年間保存、が誤り。正しくは、3年間保存。
2. 正しい。
3. 正しい。
4. 1年を超える期間、が誤り。正しくは3年(法第14条(契約期間等)第1項各号のいずれかに該当する労働契約にあっては、5年)を超える期間
問19 労働基準法及び労働安全衛生法の定める健康診断に関する次の記述のうち、誤っているものを1つ選び、解答用紙の該当する欄にマークしなさい。なお、解答にあたっては、各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。
1. 事業者は、常時使用する労働者を雇い入れるときは、当該労働者に対し、労働安全衛生規則に定める既往歴及び業務歴の調査等の項目について医師による健康診断を行わなければならない。ただし、医師による健康診断を受けた後、3ヵ月を経過しない者を雇い入れる場合において、その者が当該健康診断の結果を証明する書面を提出したときは、当該健康診断の項目に相当する項目については、この限りでない。
2. 事業者は、事業者が行う健康診断を受けた労働者に対し、遅滞なく、当該健康診断の結果を通知しなければならない。
3. 事業者は、深夜業を含む業務等に常時従事する労働者に対し、当該業務への配置替えの際及び6ヵ月以内ごとに1回、定期に、労働安全衛生規則に定める所定の項目について医師による健康診断を行わなければならない。
4. 事業者は、労働安全衛生規則で定めるところにより、深夜業に従事する労働者が、自ら受けた健康診断の結果を証明する書面を事業者に提出した場合において、その健康診断の結果(当該健康診断の項目に異常の所見があると診断された労働者に係るものに限る。)に基づく医師からの意見聴取は、当該健康診断の結果を証明する書面が事業者に提出された日から4ヵ月以内に行わなければならない。
問19 正解 4
1. 正しい。
2. 正しい。
3. 正しい。
4. 4ヵ月以内、が誤り。正しくは2ヵ月以内。
問20 「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」に定める目的等についての次の文中、A、B、C、Dに入るべき字句としていずれか正しいものを1つ選び、解答用紙の該当する欄にマークしなさい。
1. この基準は、自動車運転者(労働基準法(以下「法」という。)第9条に規定する労働者であって、四輪以上の自動車の運転の業務(厚生労働省労働基準局長が定めるものを除く。)に主として従事する者をいう。以下同じ。)の労働時間等の改善のための基準を定めることにより、自動車運転者の【 A 】等の労働条件の向上を図ることを目的とする。
2. 【 B 】は、この基準を理由として自動車運転者の労働条件を低下させてはならないことはもとより、その【 C 】に努めなければならない。
3. 使用者は、【 D 】その他の事情により、法第36条第1項の規定に基づき臨時に労働時間を延長し、又は休日に労働させる場合においても、その時間数又は日数を少なくするように努めるものとする。
B ① 使用者 ② 労働関係の当事者
C ① 維持 ② 向上
D ① 運転者不足 ② 季節的繁忙
問20 正解 A=1 B=2 C=2 D=2
問21 「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(以下「改善基準告示」という。)及び厚生労働省労働基準局長の定める「一般乗用旅客自動車運送事業以外の事業に従事する自動車運転者の拘束時間及び休息期間の特例について」に関する次の記述のうち、正しいものを2つ選び、解答用紙の該当する欄にマークしなさい。なお、解答にあたっては、各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。
1. 使用者は、貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者(以下「トラック運転者」という。)の拘束時間については、1ヵ月について293時間を超えないものとすること。ただし、労使協定があるときは、1年のうち6ヵ月までは、1年間についての拘束時間が3,516時間を超えない範囲内において、320時間まで延長することができる。
2. 使用者は、トラック運転者の1日(始業時刻から起算して24時間をいう。以下同じ。)についての拘束時間については、13時間を超えないものとし、当該拘束時間を延長する場合であっても、最大拘束時間は、16時間とすること。この場合において、1日についての拘束時間が15時間を超える回数は、2週間について3回以内とすること。
3. 使用者は、業務の必要上やむを得ない場合には、当分の間、改善基準告示第4条の1ヵ月についての拘束時間及び1日の拘束時間等の規定にかかわらず、次の条件の下でトラック運転者を隔日勤務に就かせることができる。
(1) 2暦日における拘束時間は、一定の要件に該当する場合を除き、21時間を超えてはならない。
(2) 勤務終了後、継続20時間以上の休息期間を与えなければならない。
4. 使用者は、業務の必要上、トラック運転者(1人乗務の場合)に勤務の終了後継続8時間以上の休息期間を与えることが困難な場合には、当分の間、一定期間における全勤務回数の2分の1を限度に、休息期間を拘束時間の途中及び拘束時間の経過直後に分割して与えることができるものとする。この場合において、分割された休息期間は、1日において1回当たり継続4時間以上、合計8時間以上でなければならないものとする。
問21 正解 1、3
1. 正しい。
2. 2週間について3回以内、が誤り。正しくは、1週間について2回以内
3. 正しい。
4. 合計8時間以上、が誤り。正しくは、合計10時間以上
問22 下図は、貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者の3日間の勤務状況の例を示したものであるが、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(以下「改善基準告示」という。)に定める拘束時間及び連続運転時間に関する次の記述のうち、正しいものを2つ選び、解答用紙の該当する欄にマークしなさい。
1. 各日の拘束時間は、1日目は12時間10分、2日目は12時間5分、3日目は12時間20分である。
2. 各日の拘束時間は、1日目は13時間40分、2日目は12時間5分、3日目は12時間20分である。
3. 連続運転時間が改善基準告示に違反している勤務日は、1日目及び3日目であり、2日目は違反していない。
4. 連続運転時間が改善基準告示に違反している勤務日は、1日目及び2日目であり、3日目は違反していない。
問22 正解 2、4
※拘束時間の問題を解く基本的な知識
・1日の拘束時間は、始業時刻から24時間で考えます。
以上から、3日目までの拘束時間を考えますと次のようになります。
※翌日の始業時間が前日の始業時間より早い場合について
2日目は始業時刻(5時)が前日の1日目の始業時刻(6時30分)より、1時間30分早いです。この場合1日目の拘束時間に、1時間30分が加算されます。もちろん2日目の拘束時間は5時からカウントされます。
※連続運転時間の問題を解く基本的な知識
・連続運転は4時間までです。連続運転4時間を超えるまでに1回10分以上かつ、合計が30分以上の運転の中断(休憩、荷積み、荷下ろし等)が必要です。
日ごとに考えていきます。
1日目. × 荷下ろし後の運転時間が違反している。運転2時間30分→休憩10分→運転1時間→休憩15分→運転1時間。運転4時間30分で、休憩が25分。運転時間が4時間を超えるまでに、運転の中断が30分以上取れていないので違反。
2日目. × 荷積み30分後の運転が違反している。運転3時間→休憩10分→運転1時間10分。運転時間が4時間を超えるまでに、運転の中断が30分以上取れていないので違反。
3日目. 〇 違反していない。
問23 下表は、貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者の1ヵ月の勤務状況の例を示したものであるが、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」に定める拘束時間及び運転時間等に照らし、次の1~4の中から違反している事項をすべて選び、解答用紙の該当する欄にマークしなさい。なお、1人乗務とし、「1ヵ月についての拘束時間の延長に関する労使協定」があり、下表の1ヵ月は、当該協定により1ヵ月についての拘束時間を延長することができる月に該当するものとする。また、「時間外労働及び休日労働に関する労働協定」があるものとする。
1. 1日についての最大拘束時間
2. 当該5週間のすべての日を特定日とした2日を平均した1日当たりの運転時間
3. 1日を起算日とし、2週間を平均した1週間当たりの運転時間
4. 1日についての拘束時間が15時間を超える1週間の回数
問23 正解 2
※問題を解く基本的な知識
・ 1日の最大拘束時間は16時間まで。
・ 2日を平均した1日当たりの運転時間は9時間以内。
特定日の前日と特定日の運転時間、および特定日と特定日の翌日の運転時間の平均が両方とも9時間を超えていると違反。
・ 2週間を平均した1週間当たりの運転時間は44時間以内。
・ 1日の拘束時間が15時間を超える1週間の回数は2回まで。
各選択肢ごとに考えていきます。
1. 違反していない。最大拘束時間に違反している日はない。
2. 違反している。9日を特定日とした場合、8日と9日の運転時間の平均は、9.5時間。9日と10日の運転時間の平均は、9.5時間。両方とも9時間を超えているので違反している。
3. 違反していない。2週平均44時間を超える運転時間はない。
4. 違反していない。週3回以上、拘束時間が15時間を超えていない。