実務上の知識及び能力 1問1答形式の問題 R1.8~H30.8

1問1答3回分r108-h3008実務上の知識及び能力 1問1答

令和元年8月、平成31年3月、平成30年8月の過去問

実務上の知識及び能力の分野で「足切り」を心配していませんか?

ここではそんな不安を少しでも解消できるように1問1答をご用意しました。
この分野では7問中、2問以上正解しないと足切りで不合格となってしまいます。
足切りで不合格になった方は、けっこういますので気を付けてください。しかも得点は18点以上取れているにもかかわらずです。もったいないです。

この3回分の過去問ですと問24から問28までは、各問題ともに選択肢4つとも正解しないと1点となりません。
ですから、ここでの1問1答での勉強が選択肢1つずつ確実に知識を付けていくのに最適です。そして得点力アップに貢献します。
3回分の過去問を1問1答にしています。そして重複して出題されている選択肢、似たような問題の選択肢を分析し並べ替えています。

「足切り」の不安を解消できるように是非ご活用ください。スキマ時間等の勉強にも活用してください。

問29、問30は、長文・応用問題の出題となっています。選択肢ごとに1問1答にしておりません。

問題文を読み、適(適切)・不適(適切でない)の判断をしてください。ただし、語群から選ぶ問題もあります。
※問題のすぐ右下に答えがあります。
問題文が 「適」 の場合は簡単な解説は基本的にありません。(解説があったほうが理解が深まる問題は解説があります)
問題文が 「不適」 の場合は簡単な解説があります。

スクロールし過ぎますと答えが見えますのでご注意ください。
パソコンで閲覧の場合:目次からページ内ジャンプしますと答えが見えてしまいますのでご了承ください。

 

問ごとの問題内容の比較 R1.8からH30.8(3回分)

1問1答の前に問べつの問題内容を見てみましょう。
下記の表は過去問3回分の問24から問30の問題で問われている内容です。

実務上の知識及び能力問べつ内容比較表R1.8-H30.8の3回分

1問1答 目次 R1.8からH30.8(3回分 実務上の知識及び能力)

※試験の年度によって運転者への指導監督の問題が交通事故防止対策のところで出題されたりすることもあります。

1.一般貨物自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う指導・監督

 1-1.「運転者への指導監督」に関する問題

 1-2.「運転者への指導監督(事故の統計から指導)」に関する問題

 1-3.「運転者への指導監督(デジタルタコグラフでの指導)」に関する問題

2.「点呼等」に関する問題

3.「日常業務(運転者台帳・運行指示書・乗務割)」に関する問題

4.「交通事故及び緊急事態が発生した場合の措置」に関する問題

5.「交通事故防止対策」に関する問題

6.「運行管理者資格者証返納」に関する問題

7.「運転者の健康管理及び就業における判断・対処」に関する問題

8.「安全運転支援装置等」に関する問題

9.「走行時の現象・用語」に関する問題

10.「運行計画(長文・労働基準法関係)」に関する問題

11.「危険予知訓練・事故の再発防止対策(長文)」に関する問題

 

1.一般貨物自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う指導・監督

1-1.「運転者への指導監督」に関する問題

(令和元年8月出題)
他の自動車に追従して走行するときは、常に「秒」の意識をもって自車の速度と制動距離(ブレーキが効きはじめてから止まるまでに走った距離)に留意し、前車への追突の危険が発生した場合でも安全に停止できるよう、制動距離と同程度の車間距離を保って運転するよう指導している。

 

 

 


答 不適
車間距離は、停止距離と同程度を保つのが適切。制動距離と同程度は不適切。

(平成30年8月出題)
他の自動車に追従して走行するときは、常に「秒」の意識をもって自車の速度と制動距離(ブレーキが効きはじめてから止まるまでに走った距離)に留意し、前車への追突の危険が発生した場合でも安全に停止できるよう、制動距離と同程度の車間距離を保って運転するよう指導している。

 

 

 

答 不適
車間距離は、停止距離と同程度を保つのが適切。制動距離と同程度は不適切。

 

(令和元年8月出題)
飲酒により体内に摂取されたアルコールを処理するために必要な時間の目安については、個人差はあるが、例えばビール500ミリリットル(アルコール5%)の場合、概ね4時間とされている。事業者は、これらを参考に、社内教育の中で酒気帯び運転防止の観点から飲酒が運転に及ぼす影響等について指導を行っている。

 

 

 

答 適

 

(平成30年8月出題)
飲酒は、速度感覚の麻痺、視力の低下、反応時間の遅れ、眠気が生じるなど自動車の運転に極めて深刻な影響を及ぼす。個人差はあるものの、体内に入ったビール500ミリリットル(アルコール5%)が分解処理されるのに概ね2時間が目安とされていることから、乗務前日の飲酒・酒量については、運転に影響のないよう十分気をつけることを運転者に指導している。

 

 

 

答 不適

ビール500ミリリットル(アルコール5%)が分解処理されるのは、おおむね4時間が目安とされている。

 

(平成31年3月出題)
自動車が追越しをするときは、前の自動車の走行速度に応じた追越し距離、追越し時間が必要になる。前の自動車と追越しをする自動車の速度差が小さい場合には追越しに長い時間と距離が必要になることから、無理な追越しをしないよう運転者に対し指導する必要がある。

 

 

 

答 適

 

(平成31年3月出題)
雪道への対応の遅れは、雪道でのチェーンの未装着のため自動車が登り坂を登れないこと等により後続車両が滞留し大規模な立ち往生を発生させることにもつながる。このことから運行管理者は、状況に応じて早めのチェーン装着等を運転者に対し指導する必要がある。

 

 

 

答 適

(平成31年3月出題)
運転中の携帯電話・スマートフォンの使用などは運転への注意力を著しく低下させ、事故につながる危険性が高くなる。このような運転中の携帯電話等の操作は法令違反であることはもとより、いかに危険な行為であるかを運行管理者は運転者に対し理解させて、運転中の使用の禁止を徹底する必要がある。

 

 

 

答 適

 

(令和元年8月出題)
運転者の目は、車の速度が速いほど、周辺の景色が視界から消え、物の形を正確に捉えることができなくなるため、周辺の危険要因の発見が遅れ、事故につながるおそれが高まることを理解させるよう指導している。

 

 

 

答 適

 

(平成30年8月出題)
四輪車を運転する場合、二輪車との衝突事故を防止するための注意点として、①二輪車は死角に入りやすいため、その存在に気づきにくく、また、②二輪車は速度が実際より速く感じたり、距離が近くに見えたりする特性がある。したがって、運転者に対してこのような点に注意するよう指導する必要がある。

 

 

 

答 不適

二輪車は速度が実際より遅く感じたり、距離が遠くに見えたりする特性がある。②が適切ではない。

 

(平成30年8月出題)
前方の自動車を大型車と乗用車から同じ距離で見た場合、それぞれの視界や見え方が異なり、大型車の場合には運転席が高いため、車間距離をつめてもあまり危険に感じない傾向となるので、この点に注意して常に適正な車間距離をとるよう運転者を指導する必要がある。

 

 

 

答 適

 

(平成30年8月出題)
夜間等の運転において、①見えにくい時間帯に自車の存在を知らせるため早めの前照灯の点灯、②より広範囲を照射する走行用前照灯(ハイビーム)の積極的な活用、③他の道路利用者をげん惑させないよう適切なすれ違い用前照灯(ロービーム)への切替えの励行、を運転者に対し指導する必要がある。

 

 

 

答 適

 

(令和元年8月出題)
運転者は貨物の積載を確実に行い、積載物の転落防止や、転落させたときに危険を防止するために必要な措置をとることが遵守事項として法令で定められている。出発前に、スペアタイヤや車両に備えられている工具箱等も含め、車両に積載されているものが転落のおそれがないことを確認しなければならないことを指導している。

 

 

 

答 適

 

1-2.「運転者への指導監督(事故の統計から指導)」に関する問題

(令和元年8月出題) 交通事故防止対策に関する問題で出題
平成29年中に発生した事業用トラックによる人身事故は、追突事故が最も多く全体の約5割を占めており、このうち昼間の時間での追突事故が多く発生している。追突事故を防止するためには、適正な車間距離の確保や前方不注意の危険性等に関する指導を徹底することが重要である。

 

 

 

答 適

 

(平成31年3月出題)
平成28年中の事業用貨物自動車が第1当事者となった人身事故の類型別発生状況をみると、「出会い頭衝突」が最も多く、全体の約半分を占めており、続いて「追突」の順となっている。このため、運転者に対し、特に、交差点における一時停止の確実な履行と安全確認の徹底を指導する必要がある。

 

 

 

答 不適

平成28年中の事業用貨物自動車が第1当事者となった人身事故の類型別発生状況では「追突」が最も多く、全体の約半分を占めており、続いて「出会い頭衝突」の順となっている。

 

(平成30年8月出題)
平成28年中の事業用貨物自動車が第1当事者となった人身事故の類型別発生状況をみると、「追突」が全体の約半分を占めており、最多となっている。この事実を踏まえ、運転者に対しては日頃より、適正な車間距離の確保や前方への注意を怠らないことを指導している。

 

 

 

答 適

 

(平成30年8月出題)
平成28年における交通事故統計によれば、人口10万人当たり死者数については、65歳以上の高齢者層は全年齢層の約2倍となっており、高齢者が事故により死亡するリスクが特に高いので、運行する際に、歩道や路肩に高齢歩行者を発見したときは、その動静に注意をはらって、運転を行うよう運転者に指導している。

 

 

 

答 適

1-3.「運転者への指導監督(デジタルタコグラフでの指導)」に関する問題

(平成31年3月出題)
運行管理者は、デジタル式運行記録計の記録図表(24時間記録図表や12分間記録図表)等を用いて、最高速度記録の▼マークなどを確認することにより最高速度超過はないか、また、急発進、急減速の有無についても確認し、その記録データを基に運転者に対し安全運転、経済運転の指導を行う。

 

 

 

答 適

 

(平成31年3月出題)
運行管理者は、大型トラックに装着された運行記録計により記録される「瞬間速度」、「運行距離」及び「運行時間」等により運行の実態を分析して安全運転等の指導を図る資料として活用しており、この運行記録計の記録を6ヵ月間保存している。

 

 

 

答 不適
運行記録計の記録の保存は、1年間である。

 

2.「点呼等」に関する問題

(令和元年8月出題)
乗務前の点呼においてアルコール検知器を使用するのは、身体に保有している酒気帯びの有無を確認するためのものであり、道路交通法施行令で定める呼気中のアルコール濃度1リットル当たり0.15ミリグラム以上であるか否かを判定するためのものではない。

 

 

 

答 適

 

(令和元年8月出題)
運行管理者は、乗務開始及び乗務終了後の運転者に対し、原則、対面で点呼を実施しなければならないが、遠隔地で乗務が開始又は終了する場合、車庫と営業所が離れている場合、又は運転者の出庫・帰庫が早朝・深夜であり、点呼を行う運行管理者が営業所に出勤していない場合等、運行上やむを得ず、対面での点呼が実施できないときには、電話、その他の方法で行っている。

 

 

 

答 不適

次の場合は運行上やむを得ない場合には該当しない。車庫と営業所が離れている場合、又は運転者の出庫・帰庫が早朝・深夜であり、点呼を行う運行管理者が営業所に出勤していない場合。よってこれらの場合は対面での点呼を実施するのが適切

(令和元年8月出題)
A営業所においては、運行管理者は昼間のみの勤務体制となっている。しかし、運行管理者が不在となる時間帯の点呼が当該営業所における点呼の総回数の7割を超えていることから、その時間帯における点呼については、事業者が選任した複数の運行管理者の補助者に実施させている。

 

 

 

答 不適

点呼は補助者に行わせることができるが、運行管理者が点呼の総回数の1/3以上行わなければならない。7割を超える点呼を補助者が行うこと(2/3を超える点呼を補助者が行うこと)は適切でない。

(平成31年3月出題)
事業用自動車の点検及び整備に関する車両管理については、整備管理者の責務において行うこととされていることから、運転者が整備管理者に報告した場合にあっては、点呼において運行管理者は事業用自動車の日常点検の実施について確認する必要はない。

 

 

 

答 不適
点呼において運行管理者は事業用自動車の日常点検の実施について確認しなければならない

 

(令和元年8月出題)
乗務後の点呼において、乗務を終了した運転者からの当該乗務に係る事業用自動車、道路及び運行の状況についての報告は、特に異常がない場合には運転者から求めないこととしており、点呼記録表に「異常なし」と記録している。

 

 

 

答 不適
選択肢の内容は、必ず運転者から報告を求める事項である。

 

3.「日常業務(運転者台帳・運行指示書・乗務割)」に関する問題

(平成30年8月出題)
運行管理者は、選任された運転者ごとに採用時に提出させた履歴書が、法令で定める運転者台帳の記載事項の内容を概ね網羅していることから、これを当該台帳として使用し、索引簿なども作成のうえ、営業所に備え管理している。

 

 

 

答 不適

問題文では、「概ね網羅している」という記述なので、すべて網羅しているわけではないので不適切。一般的な履歴書では適性診断の受診状況など書かてれいないので代用するのは不適切である。

 

(平成30年8月出題)
運行管理者は、運転者に法令に基づく運行指示書を携行させ、運行させている途中において、自然災害により運行経路の変更を余儀なくされた。このため、当該運行管理者は、営業所に保管する当該運行指示書の写しにその変更した内容を記載するとともに、当該運転者に対して電話等により変更の指示を行ったが、携行させている運行指示書については帰庫後提出させ、運行管理者自ら当該変更内容を記載のうえ保管し、運行の安全確保を図った。

 

 

 

答 不適

運行の途中で運行経路の変更があった場合は、運転者に携行させている運行指示書に変更内容を記載させなければならない

 

(平成30年8月出題)
運行管理者は、事業者が定めた勤務時間及び乗務時間の範囲内で、運転者が過労とならないよう十分考慮しながら、天候や道路状況などを勘案しつつ、乗務割を作成している。なお、乗務については、早めに運転者に知らせるため、事前に予定を示すことにしている。

 

 

 

答 適

4.「交通事故及び緊急事態が発生した場合の措置」に関する問題

(令和元年8月出題)
大型トラックに荷物を積載して運送中の運転者から、営業所の運行管理者に対し、「現在走行している地域の天候が急変し、集中豪雨のため、視界も悪くなってきたので、一時運転を中断している。」との連絡があった。連絡を受けた運行管理者は、「営業所では判断できないので、運行する経路を運転者自ら判断し、また、運行することが困難な状況に至った場合は、適当な待避場所を見つけて運転者自らの判断で運送の中断等を行うこと」を指示した。

 

 

 

答 不適

緊急事態が発生した場合は、運行管理者が判断・指示するのが適切。運転者まかせにするのは不適切。

 

(平成30年8月出題)
運行管理者は、事業用自動車の運行中に暴風雪等に遭遇した場合、運転者から迅速に状況を報告させるとともに、その状況に応じて、運行休止を含めた具体的な指示を行うこととしている。また、報告を受けた事項や指示した内容については、異常気象時等の措置として、詳細に記録している。

 

 

 

答 適

 

(令和元年8月出題)
運転者は、交通事故を起こしたので、二次的な事故を防ぐため、事故車両を安全な場所に移動させるとともに、バザードランプの点灯、発炎筒の着火、停止表示器材の設置により他の自動車に事故の発生を知らせるなど、安全に留意しながら道路における危険防止の措置をとった。

 

 

 

答 適

 

(令和元年8月出題)
運転者が中型トラックを運転して踏切にさしかかりその直前で一旦停止した。踏切を渡った先の道路は混んでいるが、前の車両が前進すれば通過できると判断し踏切に進入したところ、車両の後方部分を踏切内に残し停車した。その後、踏切の警報機が鳴り、遮断機が下り始めたが、前方車両が動き出したため遮断機と接触することなく通過することができた。

 

 

 

答 不適
踏切を渡った先の道路が混んでいる場合、踏切に進入してはいけない。

 

(令和元年8月出題)
運転者は、中型トラックで高速道路を走行中、大地震が発生したのに気づき当該トラックを路側帯に停車させ様子を見ていた。この地震により高速道路の車両通行が困難となったので、当該運転者は、運行管理者に連絡したうえで、エンジンキーを持ってドアをロックして当該トラックを置いて避難した。

 

 

 

答 不適

避難するときは、車両のエンジンを止める、エンジンキーはつけたままにする、窓を閉める、ドアをロックしない、のが適切。

5.「交通事故防止対策」に関する問題

(令和元年8月出題)
ドライブレコーダーは、事故時の映像だけでなく、運転者のブレーキ操作やハンドル操作などの運転状況を記録し、解析することにより運転のクセ等を読み取ることができるものがあり、運行管理者が行う運転者の安全運転の指導に活用されている。

 

 

 

答 適

 

(平成30年8月出題)
ドライブレコーダーは、事故時の映像だけでなく、運転者のブレーキ操作やハンドル操作などの運転状況を記録し、解析することにより運転のクセ等を読み取ることができるものがあり、運行管理者が行う運転者の安全運転の指導に活用されている。

 

 

 

答 適

(令和元年8月出題)
交通事故は、そのほとんどが運転者等のヒューマンエラーにより発生するものである。したがって、事故惹起運転者の社内処分及び再教育に特化した対策を講ずることが、交通事故の再発を未然に防止するには最も有効である。そのためには、発生した事故の調査や事故原因の分析よりも、事故惹起運転者及び運行管理者に対する特別講習を確実に受講させる等、ヒューマンエラーの再発防止を中心とした対策に努めるべきである。

 

 

 

答 不適
事故惹起運転者の教育とともに、発生した事故の調査や事故原因の分析も必要である。

 

(平成30年8月出題)
適性診断は、運転者の運転能力、運転態度及び性格等を客観的に把握し、運転の適性を判定することにより、運転に適さない者を運転者として選任しないようにするためのものであり、ヒューマンエラーによる交通事故の発生を未然に防止するための有効な手段となっている。

 

 

 

答 不適

適性診断は、運転者の運転行動や運転態度が安全運転にとって好ましい方向へ変化させるため実施するものである。運転に適さない者を運転者として選任しないようにするためのものでは無い。

 

(令和元年8月出題)
いわゆるヒヤリ・ハットとは、運転者が運転中に他の自動車等と衝突又は接触するおそれなどがあったと認識した状態をいい、1件の重大な事故(死亡・重傷事故等)が発生する背景には多くのヒヤリ・ハットがあるとされており、このヒヤリ・ハットを調査し減少させていくことは、交通事故防止対策に有効な手段となっている。

 

 

 

答 適

 

(平成30年8月出題)
交通事故の多くは、見かけ上運転者の運転操作ミスや交通違反等の人的要因によって発生しているが、その背景には、運転操作を誤ったり、交通違反せざるを得なかったりすることに繋がる背景要因が潜んでいることが少なくない。したがって、事業用自動車による事故防止を着実に推進するためには、事故の背景にある運行管理その他の要因を総合的に調査・分析することが重要である。

 

 

 

答 適

 

(平成31年3月出題)
デジタル式運行記録計は、自動車の運行中、交通事故や急ブレーキ、急ハンドルなどにより当該自動車が一定以上の衝撃を受けると、衝突前と衝突後の前後10数秒間の映像などを記録する装置であり、事故防止対策の有効な手段の一つとして活用されている。

 

 

 

答 不適

問題文は「ドライブレコーダー」の説明である。デジタル式運行記録計とは、運行の速度・時間等を自動的にメモリーカード等に記録する装置である。

 

(平成30年8月出題)
平成28年中の自動車乗車中死者の状況をみると、シートベルト非着用時の致死率は、着用時の致死率の10倍以上となっている。他方、自動車乗車中死者のシートベルト非着用者の割合は、全体の約40%を占めていることから、シートベルトの確実な着用は死亡事故防止の有効な手段となっている。

 

 

 

答 適

 

(平成31年3月出題)
運行管理者は、仮に事故が発生していない場合でも、同業他社の事故防止の取組事例などを参考にしながら、現状の事故防止対策を分析・評価することなどにより、絶えず運行管理業務の改善に向けて努力していくことも重要な役割である。

 

 

 

答 適

 

(平成31年3月出題)
運行管理者は、運転者の指導教育を実施していく際、運転者一人ひとりの個性に応じた助言・指導(カウンセリング)を行うことも重要である。そのためには、日頃から運転者の性格や能力、事故歴のほか、場合によっては個人的な事情についても把握し、そして、これらに基づいて助言・指導を積み重ねることによって事故防止を図ることも重要な役割である。

 

 

 

答 適

 

6.「運行管理者資格者証返納」に関する問題

(平成31年3月出題)
事業者が、事業用自動車の定期点検を怠ったことが原因で重大事故を起こしたことにより、行政処分を受けることになった場合、当該重大事故を含む運行管理業務上に一切問題がなくても、運行管理者は事業者に代わって事業用自動車の運行管理を行っていることから、事業者が行政処分を受ける際に、運行管理者が運行管理者資格者証の返納を命じられる。

 

 

 

答 不適

運行管理業務上に一切問題が無ければ、運行管理者資格者証の返納は命じられない、と考えるのが適切。

 

7.「運転者の健康管理及び就業における判断・対処」に関する問題

(平成31年3月出題)
事業者は、業務に従事する運転者に対し法令で定める健康診断を受診させ、その結果に基づいて健康診断個人票を作成し3年間保存としている。また、運転者が自ら受けた健康診断の結果を提出したものについても同様に保存している。

 

 

 

答 不適
健康診断個人票の保存は、5年間である。

 

(平成30年8月出題)
事業者は、業務に従事する運転者に対し法令で定める健康診断を受診させ、その結果に基づいて健康診断個人票を作成して5年間保存している。また、運転者が自ら受けた健康診断の結果を提出したものについても同様に保存している。

 

 

 

答 適

 

(平成31年3月出題)
事業者は、法令により定められた健康診断を実施することが義務づけられているが、運転者が自ら受けた健康診断(人間ドックなど)であっても法令で必要な定期健康診断の項目を充足している場合は、法定健診として代用することができる。

 

 

 

答 適

 

(令和元年8月出題)
事業者は、深夜業(22時~5時)を含む業務に常時従事する運転者に対し、法令に定める定期健康診断を6ヵ月以内ごとに1回、必ず、定期的に受診させるようにしている。

 

 

 

答 適

 

(平成30年8月出題)
事業者は、深夜(夜11時出庫)を中心とした業務に常時従事する運転者に対し、法令に定める定期健康診断を1年に1回、必ず、定期的に受診させるようにしている。

 

 

 

答 不適

深夜業務に常時従事する運転者には、6ヶ月以内ごとに定期健康診断を受診させなければならない。

 

(令和元年8月出題)
事業者は、日頃から運転者の健康状態を把握し、点呼において、意識の異常、目の異常、めまい、頭痛、言葉の異常、手足の異常等の申告又はその症状が見られたら、脳血管疾患の初期症状とも考えられるためすぐに専門医療機関で受診させるよう対応する。

 

 

 

答 適

 

(平成30年8月出題)
事業者や運行管理者は、点呼等の際に、運転者が意識や言葉に異常な症状があり普段と様子が違うときには、すぐに専門医療機関で受診させている。また、運転者に対し、脳血管疾患の症状について理解させ、そうした症状があった際にすぐに申告させるように努めている。

 

 

 

答 適

(令和元年8月出題)
事業者は、脳血管疾患の予防のため、運転者の健康状態や疾患につながる生活習慣の適切な把握・管理に努めるとともに、脳血管疾患は法令により義務づけられている定期健康診断において容易に発見することができることから、運転者に確実に受診させている。

 

 

 

答 不適
脳血管疾患は定期健康診断での発見は難しいといわれている。

 

(平成30年8月出題)
事業者は、脳血管疾患の予防のため、運転者の健康状態や疾患につながる生活習慣の適切な把握・管理に努めるとともに、これらの疾患は定期健康診断において容易に発見することができることから、運転者に確実に受診させている。

 

 

 

答 不適
脳血管疾患は定期健康診断での発見は難しいといわれている。

 

(平成31年3月出題)
配送業務である早朝の乗務前点呼において、これから乗務する運転者の目が赤く眠そうな顔つきであったため、本人に報告を求めたところ、連日、就寝が深夜2時頃と遅く寝不足気味ではあるが、何とか乗務は可能であるとの申告があった。このため運行管理者は、当該運転者に対し途中で眠気等があったときには、自らの判断で適宜、休憩をとるなどして運行するよう指示し、出庫させた。

 

 

 

答 不適

運行管理者は乗務前点呼において寝不足気味の運転者を乗務させることは適切でない。また途中で眠気等があったときに運転者自らが判断するよう指示することも適切でない。

(平成31年3月出題)
事業者は、ある高齢運転者が夜間運転業務において加齢に伴う視覚機能の低下が原因と思われる軽微な接触事故が多く見られたため、昼間の運転業務に配置替えをした。しかし、繁忙期であったことから、運行管理者の判断で点呼において当該運転者の健康状態を確認しつつ、以前の夜間運転業務に短期間従事させた。

 

 

 

答 不適

昼間から夜間へ再配置換えが適切でない。加齢に伴う視覚機能の低下が原因と思われる軽微な接触事故が多く見られたため、夜間業務から昼間の業務へ配置替えしているので、また夜間業務への配置換えすることは適切ではない。

(令和元年8月出題)
平成29年中のすべての事業用自動車の乗務員に起因する重大事故報告件数は約2,000件であり、このうち、運転者の健康状態に起因する事故件数は約300件となっている。病名別に見てみると、心筋梗塞等の心臓疾患と脳血管疾患等の脳疾患が多く発生している。

 

 

 

答 適

 

8.「安全運転支援装置等」に関する問題

(平成31年3月出題)
衝突被害軽減ブレーキは、いかなる走行条件においても前方の車両等に衝突する危険性が生じた場合に確実にレーダー等で検知したうえで自動的にブレーキが作動し、衝突を確実に回避できるものである。当該ブレーキが備えられている自動車に乗務する運転者に対しては、当該ブレーキ装置の故障を検知し表示による警告があった場合の対応を指導する必要がある。

 

 

 

答 不適

衝突被害軽減ブレーキについて正しくは、同装置が正常に作動していても、走行時の周囲の環境によっては障害物を正しく認識できないことや、衝突を回避できないことがあるため、当該装置が備えられている自動車の運転者に対し、当該装置を過信せず、細心の注意をはらって運転するよう指導する必要がある。

 

(平成30年8月出題)
衝突被害軽減ブレーキについては、同装置が正常に作動していても、走行時の周囲の環境によっては障害物を正しく認識できないことや、衝突を回避できないことがあるため、当該装置が備えられている自動車の運転者に対し、当該装置を過信せず、細心の注意をはらって運転するよう指導する必要がある。

 

 

 

答 適

 

9.「走行時の現象・用語」に関する問題

(平成31年3月出題)
Aに入るべき字句として正しいものを1つ選びなさい。
【 A 】とは、路面が水でおおわれているときに高速で走行するとタイヤの排水作用が悪くなり、水上を滑走する状態になって操縦不能になることをいう。これを防ぐため、日頃よりスピードを抑えた走行に努めるべきことや、タイヤの空気圧及び溝の深さが適当であることを日常点検で確認することの重要性を、運転者に対し指導する必要がある。

1. ハイドロプレーニング現象      2. ウェットスキッド現象

 

 

 

答 1

 

(平成31年3月出題)
Bに入るべき字句として正しいものを1つ選びなさい。
【 B 】とは、自動車の夜間の走行時において、自車のライトと対向車のライトで、お互いの光が反射し合い、その間にいる歩行者や自転車が見えなくなることをいう。この状況は暗い道路で特に起こりやすいので、夜間の走行の際には十分注意するよう運転者に対し指導する必要がある。

1. クリープ現象      2. 蒸発現象

 

 

 

答 2



(平成31年3月出題)
Cに入るべき字句として正しいものを1つ選びなさい。
【 C 】とは、フット・ブレーキを使い過ぎると、ブレーキ・ドラムやブレーキ・ライニングなどが摩擦のため過熱してその熱がブレーキ液に伝わり、液内に気泡が発生することによりブレーキが正常に作用しなくなり効きが低下することをいう。これを防ぐため、長い下り坂などでは、エンジン・ブレーキ等を使用し、フット・ブレーキのみの使用を避けるよう運転者に対し指導する必要がある。

1. ベーパー・ロック現象      2. スタンディングウェーブ現象

 

 

 

答 1



(平成31年3月出題)
Dに入るべき字句として正しいものを1つ選びなさい。
【 D 】とは、運転者が走行中に危険を認知して判断し、ブレーキ操作に至るまでの間に自動車が走り続けた距離をいう。自動車を運転するとき、特に他の自動車に追従して走行するときは、危険が発生した場合でも安全に停止できるような速度又は車間距離を保って運転するよう運転者に対し指導する必要がある。

1. 制動距離      2. 空走距離

 

 

 

答 2



10.「運行計画(長文・労働基準法関係)」に関する問題

「運行計画(長文・労働基準法関係)」は過去3回の試験ともに問29で出題されています。「運行計画」を読む→「運転時間・拘束時間・休息期間など」が改善基準に違反しているかどうかを判断する、という流れの問題です。
問題文の性質上、1問1答にしておりません。

 

(令和元年8月出題)
運行管理者は、荷主からの運送依頼を受けて、次のとおり運行の計画を立てた。この計画を立てた運行管理者の判断に関する次の1~3の記述のうち、適切なものには「適」、適切でないものには「不適」の判断をしなさい。なお、解答にあたっては、<運行の計画>及び各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。

(荷主の依頼事項)
A地点から、重量が5,500キログラムの荷物を11時30分までにD地点に運び、その後戻りの便にて、E地点から5,250キログラムの荷物を18時30分までにA地点に運ぶ。

<運行の計画>
ア 乗車定員2名で最大積載量6,250キログラム、車両総重量10,930キログラムの中型貨物自動車を使用する。当該運行は、運転者1人乗務とする。

イ 当日の当該運転者の始業時刻は6時00分とし、乗務前点呼後6時30分に営業所を出庫して荷主先のA地点に向かう。A地点にて荷積み後、A地点を出発し、一般道を走行した後、B料金所から高速自動車国道(法令による最低速度を定めない本線車道に該当しないもの。以下「高速道路」という。)に乗り、途中10分の休憩をはさみ、2時間40分運転した後、C料金所にて高速道路を降りる。(B料金所とC料金所の間の距離は240キロメートル)その後、一般道を経由し、D地点には11時00分に到着する。荷下ろし後、休憩施設に向かい、当該施設において11時50分から13時00分まで休憩をとる。

ウ 13時00分に休憩施設を出発してE地点に向かい、荷積みを行う。その後、13時50分にE地点を出発し、一般道を経由し往路と同じ高速道路を走行し、その後、一般道を経由し、荷主先のA地点に18時10分に到着する。荷下ろし後、営業所に18時50分に帰庫する。営業所において乗務後点呼を受け、19時00分に終業する。

R1.8問29画像

1. B料金所からC料金所までの間の高速道路の運転時間を、制限速度を考慮して2時間40分と設定したこと。

2. 当該運転者は前日の運転時間が9時間00分であり、また、当該運転者の翌日の運転時間を8時間50分とし、当日を特定の日とした場合の2日を平均して1日当たりの運転時間が改善基準告示に違反していないと判断したこと。

3. 当日の運行における連続運転時間の中断方法は改善基準告示に違反していないと判断したこと。

 

 

 

答 1.=不適  2.=適  3=不適

1. 速さ=距離÷時間で計算できる。
240km÷2と40/60時間=90km/h。
車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上の車両は、高速道路の制限速度は80km/hである。時速90キロで走行する計画は適切でない。

計算の仕方の例は、2時間40分(分で考えると160分)を分数にすると、2と40/60=160/60、20で割れるので8/3。240km÷8/3=240km×3/8(掛け算にすると分数は逆になる)=90km/hとなる。

 

2. ※問題を解く基本的な知識
特定日の前日と特定日の運転時間、および特定日と特定日の翌日の運転時間の平均が両方とも9時間を超えてはいけません。

①前日の運転時間=9時間00分
②当日の運転時間=9時間10分(特定日)
③翌日の運転時間=8時間50分
①と②の運転時間の平均は9時間5分。
②と③の運転時間の平均は9時間00分。

特定日の前日と特定日の運転時間、および特定日と特定日の翌日の運転時間の平均が両方とも9時間を超えていると違反となる①と②の運転時間の平均だけ9時間を超えているので違反とはならないので適切。

 

3. ※問題を解く基本的な知識
合計4時間を超える運転の前に、1回10分以上かつ、合計が30分以上の運転の中断(休憩等、荷下ろしも含む)が必要。

復路のE地点を出発してからA地点に到着するまでの運転が違反している。
E地点を出発からの運行計画を考えると、
1時間運転(一般道)→1時間20分運転(高速道路)→10分休憩→1時間20分運転(高速道路)→30分運転(一般道)→A地点到着となる。
合計4時間10分の運転時間で10分しか休憩がないので違反となる。

(平成31年3月出題)
貨物自動車運送事業者の運行管理者は複数の荷主からの運送依頼を受けて、下のとおり4日にわたる2人乗務による運行計画を立てた。この2人乗務を必要とした根拠についての次の1~3の下線部の運行管理者の判断について、正しいものをすべて選びなさい。なお、解答にあたっては、<4日にわたる運行計画>及び各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。

H31.3問29図

 

1. 1人乗務とした場合、1日についての最大拘束時間及び休息期間が「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(以下「改善基準告示」という。)に違反すると判断して、当該運行には交替運転者を配置した。

2. 1人乗務とした場合、すべての日を特定の日とした場合の2日を平均して1日当たりの運転時間が改善基準告示に違反すると判断して、当該運行には交替運転者を配置した。

3. 1人乗務とした場合、連続運転時間が改善基準告示に違反すると判断して、当該運行には交替運転者を配置した。

 

 

 

 

答 3

※問題を解く基本的な知識
① 1日の拘束時間は、始業時刻から24時間で考えます。(例えば1日目は始業時刻6時からですが、2日目は始業時刻が4時からとなっています。この場合1日目より2日目の始業時刻は2時間早いので、1日目の拘束時間に2時間が加算されます。よって1日目の拘束時間は16時間(14時間+2時間)となります。もちろん2日目の拘束時間は4時からカウントされます。

② 1日の拘束時間は13時間以内で、1日の拘束時間が13時間を超えても最大16時間までです。また1週間のうち、拘束時間が15時間を超えるのは2回までです。

③ 終業から次の始業までの休息期間は8時間以上必要です。

④ フェリー乗船時間は休息期間なので、拘束時間には含みません。

⑤ 特定日の前日と特定日の運転時間、および特定日と特定日の翌日の運転時間の平均が両方とも9時間を超えてはいけません。

⑥ 連続運転は4時間までです。連続運転4時間を超えるまでに1回10分以上かつ、合計が30分以上の運転の中断(休憩等)が必要です。

 

1. 誤り。上記①②③④で考えてみた場合、違反していない。

2. 誤り。上記⑤で考えてみた場合、違反していない。

3. 正しい。上記⑥で考えてみた場合、1日目の連続運転時間が違反している。
運転2時間→休憩15分→運転3時間が違反。運転時間の合計が4時間を超える前に30分以上の運転中断が必要。

(平成30年8月出題)
荷主から貨物自動車運送事業者に対し、往路と復路において、それぞれ荷積みと荷下ろしを行うよう運送の依頼があった。これを受けて、運行管理者として運転者に対し当該運送の指示をするため、次に示す「当日の運行計画」を立てた。

この運行に関する次のア~ウについて解答しなさい。なお、解答にあたっては、「当日の運行計画」及び各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。

「当日の運行計画」
往路
〇 A営業所を7時30分に出庫し、20キロメートル離れたB地点まで平均時速30キロメートルで走行する。
〇 B地点において30分間の荷積みを行う。
〇 B地点から150キロメートル離れたC地点までの間、一部高速自動車国道を利用し、平均時速45キロメートルで走行して、C地点に12時00分に到着する。
〇 C地点において20分間の荷下ろし後、1時間の休憩をとる。

復路
〇 休憩後、C地点を13時20分に出発し、荷積みのため30キロメートル離れたD地点まで平均時速30キロメートルで走行する。
〇 D地点において30分間の荷積みを行う。
〇 荷下ろしのため90キロメートル離れたE地点まで平均時速30キロメートルで走行し、E地点にて20分間の荷下ろしを行う。
〇 荷下ろし後、帰庫のためE地点から40キロメートル離れたA営業所まで平均時速30キロメートルで走行し、A営業所には19時30分に帰庫する。

H30.8問29図

 

ア B地点とC地点の間の運転時間について、次の1~3の中から正しいものを1つ選びなさい。

 1. 2時間40分    2. 3時間20分    3. 4時間

 

イ 当該運転者の前日の運転時間は9時間であり、また、当該運転者の翌日の運転時間は8時間50分と予定した。当日を特定日とした場合の2日を平均した1日当たりの運転時間は、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(以下「改善基準」という。)に照らし、違反しているか否かについて、次の1~2の中から正しいものを1つ選びなさい。

1. 違反している

2. 違反していない

 

ウ 当日の全運行において、連続運転時間は「改善基準」に照らし、違反しているか否かについて、次の1~2の中から正しいものを1つ選びなさい。

1. 違反している

2. 違反していない

 

 

 

 

答 ア=2  イ=1  ウ=1

ア 時間=距離÷速さで計算できる。150km÷45km/h=3と15/45、15/45=1/3である。1/3を時間で考えると、1時間=60分、その3分の1なので、3分の1=20分。よって運転時間は3時間20分である。

 

イ 違反している。
出庫時刻から帰庫時刻=12時間(19時30分-7時30分)。この12時間から運転以外の時間を引いて運転時間を求める。
運転以外の時間=2時間40分=30分(B地点荷積み)+20分(C地点荷下ろし)+1時間(休憩)+30分(D地点荷積み)+20分(E地点荷下ろし)
運転時間=9時間20分=12時間-2時間40分

①前日の運転時間=9時間
②当日の運転時間=9時間20分(特定日)
③翌日の運転時間=8時間50分
①と②の運転時間の平均は9時間10分。
②と③の運転時間の平均は9時間5分。
特定日の前日と特定日の運転時間、および特定日と特定日の翌日の運転時間の平均が両方とも9時間を超えてはいけないので違反している。

 

ウ D地点から帰庫までの運転が違反している。
D地点からE地点までの運転時間は3時間(90km÷30km/h)である。
E地点から帰庫までの運転時間は1時間20分(40km÷30km/h=1と10/30、10/30=1/3である。1/3を時間で考えると、1時間=60分、その3分の1なので、3分の1=20分)である。

D地点からの運行計画を考えると、
3時間運転→20分荷下ろし→1時間20分運転→帰庫となる。
合計4時間を超える運転の前に、1回10分以上かつ、合計が30分以上の運転の中断(休憩等、荷下ろしも含む)が必要だが、運転中断が20分しかできていないので違反となる。

 

11.「危険予知訓練・事故の再発防止対策(長文)」に関する問題

「危険予知訓練(長文)」は令和元年8月の試験で問30で出題されていて問題用紙2枚分となっています。【交通場面の状況等】を読んで把握→「運転者が予知すべき危険要因の例」と「運行管理者による指導事項」が直接ふさわしく効果がある選択肢を選ぶ、という流れの問題です。
問題文の性質上、1問1答にしておりません。

 

(令和元年8月出題)
運行管理者が運転者に対して実施する危険予知訓練に関する次の記述において、問題に示す【交通場面の状況等】を前提に、危険要因などを記載した表中のA、Bに最もふさわしいものを【運転者が予知すべき危険要因の例】の①~⑤の中から、また、C、Dに最もふさわしいものを【運行管理者による指導事項】の⑥~⑩の中からそれぞれ1つ選びなさい。

R1.8問30画像-1

R1.8問30画像

R1.8問30画像-2

【運転者が予知すべき危険要因の例】
① 右折時の内輪差による二輪車・原動機付自転車などの巻き込みの危険がある。

② 横断歩道の右側から自転車又は歩行者が横断歩道を渡ってくることが考えられ、このまま右折をしていくと衝突する危険がある。

③ 車幅が広いため、右折する交差点で対向車線へはみ出して衝突する危険がある。

④ 右折時に対向車の死角に隠れた二輪車・原動機付自転車を見落とし、対向車が通過直後に右折すると衝突する危険がある。

⑤ 急停止すると後続車に追突される危険がある。

 

【運行管理者による指導事項】
⑥ 対向車の速度が遅い時などは、交差点をすばやく右折し、自転車横断帯の自転車との衝突の危険を避けること。

⑦ スピードを十分落として交差点に進入すること。

⑧ 対向車があるときは無理をせず、対向車の通過を待ち、左右の安全を確認してから右折をすること。

⑨ 交差点に接近したときは、特に前車との車間距離を十分にとり、信号や前車の動向に注意しながら走行すること。

⑩ 交差点内だけでなく、交差点の右折した先の状況にも十分注意を払い走行すること。

 

 

 

答 A=2 B=4 C=8 D=10

A ②がふさわしい。「運行管理者による指導事項」から考えると、横断歩道の右側から自転車・歩行者の危険予知するのが最もふさわしい選択肢である。

B ④がふさわしい。「運行管理者による指導事項」から考えると、対向車の死角になる二輪車等の危険予知するのが最もふさわしい選択肢である。

C ⑧がふさわしい。「運転者が予知すべき危険要因の例」から考えると、対向車との衝突を回避する指導が最もふさわしい選択肢である。

D ⑩がふさわしい。「運転者が予知すべき危険要因の例」から考えると、右折先の危険状況を回避する指導が最もふさわしい選択肢である。



「事故の再発防止対策(長文)」は平成31年3月と平成30年8月の試験ともに問30で出題されていて問題用紙2枚分となっています。
「事故の概要」を読む→「有効な再発防止対策」を選ぶ、という流れの問題です。選択肢にある「事故の再発防止対策」はどの選択肢も、もっともらしいことが書いてあります。しかし、「事故の概要」に対して有効な「事故の再発防止対策」を選ばないといけません。引っかからないように気を付けてください。

問題文の性質上、1問1答にしておりません。

 

(平成31年3月出題)
運行管理者が次の事業用大型トラックの事故報告に基づき、この事故の要因分析を行ったうえで、同種事故の再発を防止するための対策として、最も直接的に有効と考えられる選択肢をすべて選びなさい。なお、解答にあたっては、【事故の概要】及び【事故の推定原因・事故の要因】に記載されている事項以外は考慮しないものとする。

【事故の概要】
当該運転者は、当日早朝に出勤し運行管理者の電話点呼を受けたのち、貨物の納入先へ向け運行中、信号機のない交差点に差しかかり、前方の普通トラックが当該交差点から約10メートル先の踏切で安全確認のため一時停止したため、それに続いて当該交差点の横断歩道上に停止した。その後前方のトラックが発進したことをうけ、車両前方を母子が横断していることに気付かず発進し、母子と接触し転倒させた。この事故により、母親とベビーカーの子供が重傷を負った。
なお、当該車両にはフロントガラス下部を覆う高さ約30センチメートルの装飾板が取り付けられていた。
・事故発生 :午前10時20分
・天候 :晴れ
・道路 :幅員8.0メートル
・運転者 :45歳 運転歴14年

H31.3問30画像

 

H31.3問30図

 

【事故の再発防止対策】
ア 対面による点呼が行えるよう要員の配置を整備する。

イ 装飾板等により運転者の視界を妨げるものについては、確実に取り外させるとともに、装飾板等取り付けが運転者の死角要因となることを運転者に対して、適切な指導を実施する。

ウ 運転者に対して、交通事故を惹起した場合の社会的影響の大きさや過労が運転に及ぼす危険性を認識させ、疲労や眠気を感じた場合は直ちに運転を中止し、休憩するよう指導を徹底する。

エ 事故惹起運転者に対して、安全運転のための特別な指導を行うとともに、適性診断結果を活用して、運転上の弱点について助言・指導を徹底することにより、安全運転のための基本動作を励行させる。

オ 運転者に対して、運行開始前に直接見ることができない箇所について後写鏡やアンダーミラー等により適切な視野の確保を図ったうえで、発車時には十分な安全確認を行うよう徹底する。

カ 過労運転の防止を図るため、自動車運転者の労働時間等の改善のための基準に違反しない乗務計画を作成し、運転者に対する適切な運行指示を徹底する。

キ 安全運転教育において、横断歩道、交差点などの部分で停止しないよう徹底するとともに、横断歩道に接近する場合及び通過する際に、横断しようとする者がいないことを確実に確認するよう徹底する。

ク 運転者に対して、疾病が交通事故の要因となるおそれがあることを正しく理解させ、定期的な健康診断結果に基づき、自ら生活習慣の改善を図るなど、適切な心身の健康管理を行うことの重要性を理解させる。

 

 

 

 

答 イ、エ、オ、キ

同種事故の再発防止に最も直接的に有効と考えられるものを選ぶ。

ア 直接的に有効な再発防止策と考えられない。(対面点呼をしなかったことが原因の事故ではない)

イ 直接的に有効な再発防止策と考えられる。

ウ 直接的に有効な再発防止策と考えられない。(過労運転や居眠り運転が原因の事故ではない)

エ 直接的に有効な再発防止策と考えられる。

オ 直接的に有効な再発防止策と考えられる。

カ 直接的に有効な再発防止策と考えられない。(過労運転が原因の事故ではない)

キ 直接的に有効な再発防止策といえる。

ク 直接的に有効な再発防止策と考えられない。(疾病が原因の事故ではない)

 

(平成30年8月出題)
運行管理者が次の事業用普通トラックの事故報告に基づき、この事故の要因分析を行ったうえで、同種事故の再発を防止するための対策として、最も直接的に有効と考えられる選択肢をすべて選びなさい。なお、解答にあたっては、<事故の概要>及び<事故関連情報>に記載されている事項以外は考慮しないものとする。

<事故の概要> 
当該トラックは、17時頃、霧で見通しの悪い高速道路を走行中、居眠り運転により渋滞車列の最後尾にいた乗用車に追突した。当該トラックは当該乗用車を中央分離帯に押し出したのち、前方の乗用車3台に次々と追突し、通行帯上に停止した。
この事故により、最初に追突された乗用車に乗車していた3人が死亡し、当該トラックの運転者を含む7人が重軽傷を負った。当時霧のため当該道路の最高速度は時速50キロメートルに制限されていたが、当該トラックは追突直前には時速80キロメートルで走行していた。

H30.8問30画像

 

<事故関連情報>
○ 当該運転者は、事故日前日運行先に積雪があり、帰庫時間が5時間程度遅くなって業務を早朝5時に終了した。その後、事故当日の正午に乗務前点呼を受け出庫した。

○ 当該運転者は、事故日前1ヵ月間の勤務において、拘束時間及び休息期間について複数回の「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」違反があった。

○ 当該運転者に対する乗務前点呼はアルコール検知器を使用し対面で行われていた。また、この営業所においては、営業所長が運行管理者として選任されていたが補助者の選任がされておらず、運行管理者が不在のときは点呼が実施されていなかった。

○ 当該営業所では、年度ごとの教育計画に基づき、所長自ら月1回ミーティングを実施していたが、交通事故を惹起した場合の社会的影響の大きさや、疲労などの生理的要因による交通事故の危険性などについて理解させる指導・教育が不足していた。

○ 当該運転者は、採用後2年が経過していたが、初任運転者に対する適性診断を受診していなかった。

○ 当該事業者は、年2回の定期健康診断の実施計画に基づき実施しており、当該運転者は、これらの定期健康診断を受診していた。

○ 当該トラックは、法令で定められた日常点検及び定期点検を実施していた。また、速度抑制装置(スピードリミッター)が取り付けられていた。

<事故の再発防止対策>
ア 運行管理者は、運転者に対して、交通事故を惹起した場合の社会的影響の大きさや過労が運転に及ぼす危険性を認識させ、疲労や眠気を感じた場合は直ちに運転を中止し、休憩するよう指導を徹底する。

イ 運行管理者は、関係法令及び自動車運転者の労働時間等の改善のための基準に違反しないよう、日頃から運転者の運行状況を確実に把握し、適切な乗務割を作成する。また、運転者に対しては、点呼の際適切な運行指示を行う。

ウ 事業者は、点呼の際に点呼実施者が不在にならないよう、適正な数の運行管理者又は補助者を配置するなど、運行管理を適切に実施するための体制を整備する。

エ 運行管理者は、法に定められた適性診断を、運転者に確実に受診させるとともに、その結果を活用し、個々の運転者の特性に応じた指導を行う。

オ 事業者は、運転者に対して、疾病が交通事故の要因となるおそれがあることを正しく理解させ、定期的な健康診断結果に基づき、自ら生活習慣の改善を図るなど、適切な心身の健康管理を行うことの重要性を理解させる。

カ 事業者は、自社の事業用自動車に衝突被害軽減ブレーキ装置の導入を促進する。その際、運転者に対し、当該装置の性能限界を正しく理解させ、装置に頼り過ぎた運転とならないように指導を行う。

キ 運行管理者は、点呼を実施する際、運転者の体調や疲労の蓄積などをきちんと確認し、疲労等により安全な運転を継続することができないおそれがあるときは、当該運転者を交替させる措置をとる。

ク 法令で定められた日常点検及び定期点検整備を確実に実施する。その際、速度抑制装置の正常な作動についても、警告灯により確認する。

 

 

 

答 ア、イ、カ、キ

同種事故の再発防止に最も直接的に有効と考えられるものを選ぶ。
ア 直接的に有効な再発防止策と考えられる。

イ 直接的に有効な再発防止策と考えられる。

ウ 直接的に有効な再発防止策と考えられない。(当日は対面点呼が行われていた)

エ 直接的に有効な再発防止策と考えられない。(初任運転者が受ける適性診断を受けていなかったことが直接的な原因の事故とは言い難い)

オ 直接的に有効な再発防止策と考えられない。(疾病が原因の事故ではない)

カ 直接的に有効な再発防止策と考えられる。

キ 直接的に有効な再発防止策と考えられる。

ク 直接的に有効な再発防止策と考えられない。(日常点検及び定期点検は実施されていた)