実務上の知識及び能力 1問1答形式の問題 R3.3・R2.8・R1.8

1問1答

令和3年3月、令和2年8月、令和元年8月の過去問

実務上の知識及び能力の分野で「足切り」を心配していませんか?

ここではそんな不安を少しでも解消できるように1問1答をご用意しました。
この分野では7問中、2問以上正解しないと足切りで不合格となってしまいます。
足切りで不合格になった方は、けっこういますので気を付けてください。しかも得点は18点以上取れているにもかかわらずです。もったいないです。

3回分の過去問を1問1答にしています。そして重複して出題されている選択肢、似たような問題の選択肢を分析し並べ替えています。

「足切り」の不安を解消できるように是非ご活用ください。スキマ時間等の勉強にも活用してください。

長文・応用問題は選択肢ごとに1問1答にしておりません。

問題文を読み、適(適切)・不適(適切でない)の判断をしてください。ただし、語群から選ぶ問題もあります。
※問題のすぐ右下に答えがあります。
問題文が 「適」 の場合は簡単な解説は基本的にありません。(解説があったほうが理解が深まる問題は解説があります)
問題文が 「不適」 の場合は簡単な解説があります。

スクロールし過ぎますと答えが見えますのでご注意ください。
パソコンで閲覧の場合:目次からページ内ジャンプしますと答えが見えてしまいますのでご了承ください。

 

1問1答 目次 R3.3からR1.8(3回分 実務上の知識及び能力)

※試験の年度によって運転者への指導監督の問題が交通事故防止対策などで出題されたりすることもあります。

1.一般貨物自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う指導・監督

 1-1.「運転者への指導監督」に関する問題

 1-2.「運転者への指導監督(事故の統計から指導)」に関する問題

 1-3.「運転者への指導監督(デジタルタコグラフでの指導)」に関する問題

2.「点呼等」に関する問題

3.「日常業務(運転者台帳)」に関する問題

4.「交通事故及び緊急事態が発生した場合の措置」に関する問題

5.「交通事故防止対策」に関する問題

6.「運転者の健康管理及び就業における判断・対処」に関する問題

7.「安全運転支援装置等」に関する問題

8.「走行時の現象」に関する問題

9.「運行計画(長文・労働基準法関係)」に関する問題

10.「危険予知訓練(長文)」に関する問題

11.「事故防止の指導・事故の再発防止対策(長文)」に関する問題

12.「空走距離・制動距離・車間距離の計算(長文)」に関する問題

 

1.一般貨物自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う指導・監督

1-1.「運転者への指導監督」に関する問題

(令和元年8月出題)
他の自動車に追従して走行するときは、常に「秒」の意識をもって自車の速度と制動距離(ブレーキが効きはじめてから止まるまでに走った距離)に留意し、前車への追突の危険が発生した場合でも安全に停止できるよう、制動距離と同程度の車間距離を保って運転するよう指導している。

 

 

 

 


答 不適
車間距離は、停止距離と同程度を保つのが適切。制動距離と同程度は不適切。

(令和2年8月 「自動車の運転」で出題)
車両の重量が重い自動車は、スピードを出すことにより、カーブでの遠心力が大きくなるため横転などの危険性が高くなり、また、制動距離が長くなるため追突の危険性も高くなる。このため、法定速度を遵守し、十分な車間距離を保つことを運転者に指導する必要がある。

 

 

 

 


答 適

 

(令和2年8月出題)
飲酒により体内に摂取されたアルコールを処理するために必要な時間の目安については、個人差はあるが、例えばチューハイ350ミリリットル(アルコール7%)の場合、概ね2時間とされている。事業者は、これらを参考に、社内教育の中で酒気帯び運転防止の観点から飲酒が運転に及ぼす影響等について指導している。


 

 

 

 

答 不適
適切でない。概ね(おおむね)4時間とされている、が適切。

 

(令和元年8月出題)
飲酒により体内に摂取されたアルコールを処理するために必要な時間の目安については、個人差はあるが、例えばビール500ミリリットル(アルコール5%)の場合、概ね4時間とされている。事業者は、これらを参考に、社内教育の中で酒気帯び運転防止の観点から飲酒が運転に及ぼす影響等について指導を行っている。

 

 

 

 

 

答 適

 

(令和3年3月出題)
自動車が追越しをするときは、前の自動車の走行速度に応じた追越し距離、追越し時間が必要になるため、前の自動車と追越しをする自動車の速度差が大きい場合には追越しに長い時間と距離が必要になることから、無理な追越しをしないよう指導した。

 

 

 

 

答 不適
適切でない。「速度差が小さい場合」が適切。

 

(令和元年8月出題)
運転者の目は、車の速度が速いほど、周辺の景色が視界から消え、物の形を正確に捉えることができなくなるため、周辺の危険要因の発見が遅れ、事故につながるおそれが高まることを理解させるよう指導している。

 

 

 

 

 

答 適

 

(令和2年8月 「自動車の運転」で出題)
四輪車を運転する場合、二輪車との衝突事故を防止するための注意点として、①二輪車は死角に入りやすいため、その存在に気づきにくく、また、②二輪車は速度が実際より速く感じたり、距離が近くに見えたりする特性がある。したがって、運転者に対してこのような点に注意するよう指導する必要がある。

 

 

 

 


答 不適

適切でない。二輪車は速度が実際より遅く感じたり、距離が遠くに見えたりする特性がある。②が適切ではない。

 

(令和2年8月出題)
運行管理者は、事業用自動車の運転者に対し、事業用自動車の構造上の特性、貨物の正しい積載方法など事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な運転の技術及び自動車の運転に関して遵守すべき事項等について、適切に指導を行うとともに、その内容等について記録し、かつ、その記録を営業所において1年間保存している。

 

 

 

 


答 不適

適切でない。1年間保存ではなく、3年間保存が適切。運転者の指導の記録の保存は3年間である。

 

(令和元年8月出題)
運転者は貨物の積載を確実に行い、積載物の転落防止や、転落させたときに危険を防止するために必要な措置をとることが遵守事項として法令で定められている。出発前に、スペアタイヤや車両に備えられている工具箱等も含め、車両に積載されているものが転落のおそれがないことを確認しなければならないことを指導している。

 

 

 

 

 

答 適

 

(令和2年8月出題)
車長が長い自動車は、①内輪差が大きく、左折時に左側方のバイクや歩行者を巻き込んでしまう、②狭い道路への左折時には、車体がふくらみ、センターラインをはみ出してしまう、③右折時には、車体後部のオーバーハング部が隣接する車線へはみ出して車体後部が後続車に接触する、などの事故の要因となり得る危険性を有していることを運転者に対し指導している。

 

 

 

 


答 適

 

(令和2年8月出題)
鉄道車両など関係法令の制限を超えた積載物を運搬する場合は、関係当局から発行された許可証を携行するとともに、許可の際に付された通行経路・通行時間等の条件を遵守し、運送するよう指導している。また、運行前には、必ず、通行経路の事前情報を入手し、許可された経路の道路状況を確認するよう指導している。

 

 

 

 



答 適

 

(令和2年8月出題)
国土交通大臣が認定する適性診断(以下「適性診断」という。)を受診した運転者の診断結果において、「感情の安定性」の項目で、「すぐかっとなるなどの衝動的な傾向」との判定が出た。適性診断は、性格等を客観的に把握し、運転の適性を判定することにより、運転業務に適さない者を選任しないようにするためのものであるため、運行管理者は、当該運転者は運転業務に適さないと判断し、他の業務へ配置替えを行った。

 

 

 

 


答 不適

適切でない。適性診断は、運転者の運転行動や運転態度が安全運転にとって好ましい方向へ変化させるため実施するものである。運転に適さない者を運転者として選任しないようにするためのものでは無い。

 

(令和3年3月出題)
ある運転者が、昨年今年と連続で追突事故を起こしたので、運行管理者は、ドライブレコーダーの映像等をもとに事故の原因を究明するため、専門的な知識及び技術を有する外部機関に事故分析を依頼し、その結果に基づき指導した。

 

 

 


答 適

 

 

(令和3年3月出題)
1人ひとりの運転者が行う日常点検や運転行動、または固縛作業は、慣れとともに、各動作を漫然と行ってしまうことがある。その行動や作業を確実に実施させるために、「指差呼称」や「安全呼称」を習慣化することで事故防止に有効であるという意識を根付かせるよう指導した。

 

 

 


答 適

 

1-2.「運転者への指導監督(事故の統計から指導)」に関する問題

(令和3年3月出題)
平成30年中に発生した事業用トラックによる人身事故のうち、追突事故が最も多く全体の約5割を占めており、このうち昼間の時間での追突事故が多く発生している。追突事故を防止するために、適正な車間距離の確保や前方不注意の危険性等に関し指導した。

 

 

 


答 適

 

(令和元年8月 「交通事故防止対策」で出題)  
平成29年中に発生した事業用トラックによる人身事故は、追突事故が最も多く全体の約5割を占めており、このうち昼間の時間での追突事故が多く発生している。追突事故を防止するためには、適正な車間距離の確保や前方不注意の危険性等に関する指導を徹底することが重要である。

 

 

 

 

 

答 適

 

1-3.「運転者への指導監督(デジタルタコグラフでの指導)」に関する問題

(令和2年8月出題 「運行管理者の日常業務の記録等」で出題)
運行管理者は、運行記録計により記録される「瞬間速度」、「運行距離」及び「運行時間」等により運転者の運行の実態や車両の運行の実態を分析し、運転者の日常の乗務を把握し、過労運転の防止及び運行の適正化を図る資料として活用しており、この運行記録計の記録を1年間保存している。

 

 

 

 


答 適

 

2.「点呼等」に関する問題

(令和2年8月出題)
運行管理者は、事業用自動車の運転者に対する乗務前点呼において、酒気帯びの有無については、目視等で確認するほか、アルコール検知器を用いて確認するとともに、点呼を行った旨並びに報告及び指示の内容等を記録し、かつ、その記録を1年間保存している。

 

 



答 適

 

(令和3年3月出題)
乗務前の点呼においてアルコール検知器を使用するのは、身体に保有している酒気帯びの有無を確認するためのものであり、道路交通法施行令で定める呼気中のアルコール濃度1リットル当たり0.15ミリグラム以上であるか否かを判定するためのものではない。

 

 

 



答 適

 

(令和元年8月出題)
乗務前の点呼においてアルコール検知器を使用するのは、身体に保有している酒気帯びの有無を確認するためのものであり、道路交通法施行令で定める呼気中のアルコール濃度1リットル当たり0.15ミリグラム以上であるか否かを判定するためのものではない。

 

 

 

 

答 適

 

(令和3年3月出題)
運行管理者は、乗務開始及び乗務終了後の運転者に対し、原則、対面で点呼を実施しなければならないが、遠隔地で乗務が開始又は終了する場合、車庫と営業所が離れている場合、又は運転者の出庫・帰庫が早朝、深夜であり、点呼を行う運行管理者が営業所に出勤していない場合等、運行上やむを得ず、対面での点呼が実施できないときには、電話、その他の方法で行っている。

 

 

 

 

 

答 不適

適切でない。次の場合は運行上やむを得ない場合には該当しない。車庫と営業所が離れている場合、又は運転者の出庫・帰庫が早朝・深夜であり、点呼を行う運行管理者が営業所に出勤していない場合。よってこれらの場合は対面での点呼を実施するのが適切

 

(令和元年8月出題)
運行管理者は、乗務開始及び乗務終了後の運転者に対し、原則、対面で点呼を実施しなければならないが、遠隔地で乗務が開始又は終了する場合、車庫と営業所が離れている場合、又は運転者の出庫・帰庫が早朝・深夜であり、点呼を行う運行管理者が営業所に出勤していない場合等、運行上やむを得ず、対面での点呼が実施できないときには、電話、その他の方法で行っている。

 

 

 

 

 

答 不適

次の場合は運行上やむを得ない場合には該当しない。車庫と営業所が離れている場合、又は運転者の出庫・帰庫が早朝・深夜であり、点呼を行う運行管理者が営業所に出勤していない場合。よってこれらの場合は対面での点呼を実施するのが適切

(令和元年8月出題)
A営業所においては、運行管理者は昼間のみの勤務体制となっている。しかし、運行管理者が不在となる時間帯の点呼が当該営業所における点呼の総回数の7割を超えていることから、その時間帯における点呼については、事業者が選任した複数の運行管理者の補助者に実施させている。

 

 

 

 

 

答 不適

点呼は補助者に行わせることができるが、運行管理者が点呼の総回数の1/3以上行わなければならない。7割を超える点呼を補助者が行うこと(2/3を超える点呼を補助者が行うこと)は適切でない。

(令和元年8月出題)
乗務後の点呼において、乗務を終了した運転者からの当該乗務に係る事業用自動車、道路及び運行の状況についての報告は、特に異常がない場合には運転者から求めないこととしており、点呼記録表に「異常なし」と記録している。

 

 

 

 

 

答 不適
選択肢の内容は、必ず運転者から報告を求める事項である。

 

(令和3年3月出題)
3日間にわたる事業用トラックの運行で、2日目は乗務前及び乗務後の点呼を対面で行うことができない乗務のため、携帯電話による乗務前及び乗務後の点呼を実施するほか、携帯電話による中間点呼を1回実施した。

 

 

 

 

答 適

 

(令和3年3月出題)
同一の事業者内の輸送の安全の確保に関する取組が優良であると認められる営業所において、A営業所とB営業所間で国土交通大臣が定めた機器を用いて実施するIT点呼については、1営業日のうち連続する18時間以内としている。

 

 

 

 

答 不適
適切でない。連続する16時間以内、が適切。

 

3.「日常業務(運転者台帳)」に関する問題

(令和2年8月出題)
運行管理者は、事業用自動車の運転者が他の営業所に転出し当該営業所の運転者でなくなったときは、直ちに、運転者台帳に運転者でなくなった年月日及び理由を記載して1年間保存している。

 

 

 

 



答 不適

適切でない。1年間保存ではなく、3年間保存が適切。運転者でなくなった場合の運転者台帳の保存は3年間である。

 

4.「交通事故及び緊急事態が発生した場合の措置」に関する問題

(令和元年8月出題)
大型トラックに荷物を積載して運送中の運転者から、営業所の運行管理者に対し、「現在走行している地域の天候が急変し、集中豪雨のため、視界も悪くなってきたので、一時運転を中断している。」との連絡があった。連絡を受けた運行管理者は、「営業所では判断できないので、運行する経路を運転者自ら判断し、また、運行することが困難な状況に至った場合は、適当な待避場所を見つけて運転者自らの判断で運送の中断等を行うこと」を指示した。

 

 

 

 

 

答 不適

緊急事態が発生した場合は、運行管理者が判断・指示するのが適切。運転者まかせにするのは不適切。

 

(令和元年8月出題)
運転者は、交通事故を起こしたので、二次的な事故を防ぐため、事故車両を安全な場所に移動させるとともに、バザードランプの点灯、発炎筒の着火、停止表示器材の設置により他の自動車に事故の発生を知らせるなど、安全に留意しながら道路における危険防止の措置をとった。

 

 

 

 

 

答 適

 

(令和元年8月出題)
運転者が中型トラックを運転して踏切にさしかかりその直前で一旦停止した。踏切を渡った先の道路は混んでいるが、前の車両が前進すれば通過できると判断し踏切に進入したところ、車両の後方部分を踏切内に残し停車した。その後、踏切の警報機が鳴り、遮断機が下り始めたが、前方車両が動き出したため遮断機と接触することなく通過することができた。

 

 

 

 

 

答 不適
踏切を渡った先の道路が混んでいる場合、踏切に進入してはいけない。

 

(令和元年8月出題)
運転者は、中型トラックで高速道路を走行中、大地震が発生したのに気づき当該トラックを路側帯に停車させ様子を見ていた。この地震により高速道路の車両通行が困難となったので、当該運転者は、運行管理者に連絡したうえで、エンジンキーを持ってドアをロックして当該トラックを置いて避難した。

 

 

 

 

 

答 不適

避難するときは、車両のエンジンを止める、エンジンキーはつけたままにする、窓を閉める、ドアをロックしない、のが適切。

5.「交通事故防止対策」に関する問題

(令和3年3月出題)
ドライブレコーダーは、事故時の映像だけでなく、運転者のブレーキ操作やハンドル操作などの運転状況を記録し、解析することにより運転のクセ等を読み取ることができるものがあり、運行管理者が行う運転者の安全運転の指導に活用されている。

 

 

 

 

答 適

 

(令和元年8月出題)
ドライブレコーダーは、事故時の映像だけでなく、運転者のブレーキ操作やハンドル操作などの運転状況を記録し、解析することにより運転のクセ等を読み取ることができるものがあり、運行管理者が行う運転者の安全運転の指導に活用されている。

 

 

 

 

答 適

 

(令和3年3月出題)
交通事故は、そのほとんどが運転者等のヒューマンエラーにより発生するものである。したがって、事故惹起運転者の社内処分及び再教育に特化した対策を講ずることが、交通事故の再発を未然に防止するには最も有効である。そのためには、発生した事故の要因の調査・分析を行うことなく、事故惹起運転者及び運行管理者に対する特別講習を確実に受講させる等、ヒューマンエラーの再発防止を中心とした対策に努めるべきである。

 

 

 

 

答 不適

適切でない。事故惹起運転者の教育とともに、発生した事故の調査や事故原因の分析も必要である。

 

(令和元年8月出題)
交通事故は、そのほとんどが運転者等のヒューマンエラーにより発生するものである。したがって、事故惹起運転者の社内処分及び再教育に特化した対策を講ずることが、交通事故の再発を未然に防止するには最も有効である。そのためには、発生した事故の調査や事故原因の分析よりも、事故惹起運転者及び運行管理者に対する特別講習を確実に受講させる等、ヒューマンエラーの再発防止を中心とした対策に努めるべきである。

 

 

 

 

 

答 不適
事故惹起運転者の教育とともに、発生した事故の調査や事故原因の分析も必要である。

 

(令和3年3月出題)
いわゆる「ヒヤリ・ハット」とは、運転者が運転中に他の自動車等と衝突又は接触するおそれなどがあったと認識した状態をいい、1件の重大な事故(死亡・重傷事故等)が発生する背景には多くのヒヤリ・ハットがあるとされており、このヒヤリ・ハットを調査し減少させていくことは、交通事故防止対策に有効な手段となっている。

 

 

 

 

答 適

 

(令和元年8月出題)
いわゆるヒヤリ・ハットとは、運転者が運転中に他の自動車等と衝突又は接触するおそれなどがあったと認識した状態をいい、1件の重大な事故(死亡・重傷事故等)が発生する背景には多くのヒヤリ・ハットがあるとされており、このヒヤリ・ハットを調査し減少させていくことは、交通事故防止対策に有効な手段となっている。

 

 

 

 

 

答 適

 

(令和3年3月出題)
適性診断は、運転者の運転能力、運転態度及び性格等を客観的に把握し、運転の適性を判定することにより、運転に適さない者を運転者として選任しないようにするためのものであり、ヒューマンエラーによる交通事故の発生を未然に防止するための有効な手段となっている。

 

 

 

 

答 不適

適切でない。適性診断は、運転者の運転行動や運転態度が安全運転にとって好ましい方向へ変化させるため実施するものである。運転に適さない者を運転者として選任しないようにするためのものでは無い。

 

6.「運転者の健康管理及び就業における判断・対処」に関する問題

(令和2年8月出題)
事業者は、業務に従事する運転者に対し法令で定める健康診断を受診させ、その結果に基づいて健康診断個人票を作成して5年間保存している。また、運転者が自ら受けた健康診断の結果を提出したものについても同様に保存している。

 

 

 



答 適

 

(令和3年3月出題)
一部の運転者から、事業者が指定する医師による定期健康診断ではなく他の医師による当該健康診断に相当する健康診断を受診し、その結果を証明する書面を提出したい旨の申し出があったが、事業者はこの申し出を認めなかった。

 

 

 

 

答 不適
適切でない。この場合の申し出は認めるのが適切。

 

(令和3年3月出題)
事業者は、深夜業(22時~5時)を含む業務に常時従事する運転者に対し、法令に定める定期健康診断を6ヵ月以内ごとに1回、必ず、定期的に受診させるようにしている。

 

 

 

 

答 適

 

(令和元年8月出題)
事業者は、深夜業(22時~5時)を含む業務に常時従事する運転者に対し、法令に定める定期健康診断を6ヵ月以内ごとに1回、必ず、定期的に受診させるようにしている。

 

 

 

 

 

答 適

 

(令和元年8月出題)
事業者は、日頃から運転者の健康状態を把握し、点呼において、意識の異常、目の異常、めまい、頭痛、言葉の異常、手足の異常等の申告又はその症状が見られたら、脳血管疾患の初期症状とも考えられるためすぐに専門医療機関で受診させるよう対応する。

 

 

 

 

 

答 適

 

(令和3年3月出題)
事業者は、運転者が軽症度の睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断された場合は、残業を控えるなど業務上での負荷の軽減や、睡眠時間を多く取る、過度な飲酒を控えるなどの生活習慣の改善によって、業務が可能な場合があるので、医師と相談して慎重に対応している。

 

 

 

 

答 適

 

(令和2年8月出題)
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、大きないびきや昼間の強い眠気など容易に自覚症状を感じやすいので、事業者は、自覚症状を感じていると自己申告をした運転者に限定して、SASスクリーニング検査を実施している。

 

 

 

 



答 不適

適切でない。睡眠時無呼吸症候群(SAS)は自覚症状を感じにくいとされている。雇い入れ時、その後は定期的にSASスクリーニング検査を実施することが推奨されている。

(令和3年3月出題)
事業者は、脳血管疾患の予防のため、運転者の健康状態や疾患につながる生活習慣の適切な把握・管理に努めるとともに、法令により義務づけられている定期健康診断において脳血管疾患を容易に発見することができることから、運転者に確実に受診させている。

 

 

 

 

答 不適

適切でない。脳血管疾患は定期健康診断での発見は難しいといわれている。

(令和元年8月出題)
事業者は、脳血管疾患の予防のため、運転者の健康状態や疾患につながる生活習慣の適切な把握・管理に努めるとともに、脳血管疾患は法令により義務づけられている定期健康診断において容易に発見することができることから、運転者に確実に受診させている。

 

 

 

 

 

答 不適
脳血管疾患は定期健康診断での発見は難しいといわれている。

 

(令和2年8月出題)
自動車の運転中に、心臓疾患(心筋梗塞、心不全等)や、大血管疾患(急性大動脈解離、大動脈瘤破裂等)が起こると、ショック状態、意識障害、心停止等を生じ、運転者が事故を回避するための行動をとることができなくなり、重大事故を引き起こすおそれがある。そのため、健康起因事故を防止するためにも発症する前の早期発見や予防が重要となってくる。

 

 

 



答 適

 

(令和2年8月出題)
自動車事故報告規則に基づく平成29年中のすべての事業用自動車の乗務員に起因する重大事故報告件数約2,000件の中で、健康起因による事故件数は約300件を占めている。そのうち運転者が死亡に至った事案は60件あり、原因病名別にみると、心臓疾患が半数以上を占めている。

 

 

 



答 適
 

(令和元年8月出題)
平成29年中のすべての事業用自動車の乗務員に起因する重大事故報告件数は約2,000件であり、このうち、運転者の健康状態に起因する事故件数は約300件となっている。病名別に見てみると、心筋梗塞等の心臓疾患と脳血管疾患等の脳疾患が多く発生している。

 

 

 

 

答 適

 

7.「安全運転支援装置等」に関する問題

(令和2年8月 「自動車の運転」で出題)
アンチロック・ブレーキシステム(ABS)は、急ブレーキをかけた時などにタイヤがロック(回転が止まること)するのを防ぐことにより、車両の進行方向の安定性を保ち、また、ハンドル操作で障害物を回避できる可能性を高める装置である。ABSを効果的に作動させるためには、できるだけ強くブレーキペダルを踏み続けることが重要であり、この点を運転者に指導する必要がある。

 

 

 

 



答 適

 

(令和2年8月 「自動車の運転」で出題)
バン型トラックの後方は、ほとんど死角となって見えない状態となることから、後退時の事故の要因となることがある。その対策として、バックアイカメラを装着して、死角を大きく減少させることができるが、その使用にあたっては、バックアイカメラにも限界があり、過信しないよう運転者に指導する必要がある。

 

 

 

 



答 適

 

8.「走行時の現象」に関する問題

(令和3年3月出題)
自動車の運転の際に車に働く自然の力等に関する次の文中、A、B、Cに入るべき字句としていずれか正しいものを1つ選びなさい。

同一速度で走行する場合、カーブの半径が[ A ]ほど遠心力は大きくなる。

A ① 小さい      ② 大きい

 

 

 

答 A=1

 

まがり角やカーブでハンドルを切った場合、自動車の速度が2倍になると遠心力は[ B ]になる。

B ① 2倍      ② 4倍

 

 

 

答 B=2

 

自動車が衝突するときの衝撃力は、車両総重量が2倍になると[ C ]になる。

C ① 2倍      ② 4倍

 

 

 

 

答 C=1

 

9.「運行計画(長文・労働基準法関係)」に関する問題

問題文の性質上、1問1答にしておりません。

 

(令和3年3月出題)
荷主から下の運送依頼を受けて、A営業所の運行管理者が次のとおり運行の計画を立てた。この計画に関するア~イについて解答しなさい。なお、解答にあたっては、<運行の計画>及び各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。

<荷主からの運送依頼>
B工場で重量が3,000キログラムの電化製品を積み、各拠点(F地点 、H地点)の配送先まで運送する。

ア  当該運行に適した車両として、次の1~3の事業用自動車の中から正しいものを1つ選びなさい。

イ  高速道路のC料金所とD料金所間の運転時間を1時間30分としたことについて、次の1~2の中から正しいものを1つ選びなさい。

1. 適切

2. 不適切

 

 

 

答 ア=3 イ=1

ア 3 が正しい。
F地点とG地点の間に大型貨物自動車等通行止めの道路標識がある。
1と2の事業用自動車はこの標識があるので通行できない。
よって、3が通行に適した車両となる。

イ 適切である。
速さ=距離÷時間で計算できる。
135km(距離)÷1時間30分=90km/h(速さ)
最高速度違反とならない運行なので適切。

 

 

(令和3年3月出題)
貨物自動車運送事業者の運行管理者は複数の荷主からの運送依頼を受けて、下のとおり4日にわたる運行計画を立てた。この運行に関する、次の1~3の運行管理者の判断について、正しいものをすべて選びなさい。なお、解答にあたっては、<4日にわたる運行計画>及び各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。

 

1. 1人乗務とした場合、1日についての最大拘束時間及び休息期間が「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(以下「改善基準告示」という。)に違反すると判断して、当該運行には交替運転者を配置する。

2. 1人乗務とした場合、すべての日を特定の日とした場合の2日を平均して1日当たりの運転時間が改善基準告示に違反すると判断して、当該運行には交替運転者を配置する。

3. 1人乗務とした場合、連続運転時間が改善基準告示に違反すると判断して、当該運行には交替運転者を配置する。

 

 

 

 

答 2、3

※問題を解く基本的な知識
① 1日の拘束時間は、始業時刻から24時間で考えます。(例えば1日目は始業時刻5時からですが、2日目は始業時刻が4時からとなっています。この場合1日目より2日目の始業時刻は1時間早いので、1日目の拘束時間に1時間が加算されます。よって1日目の拘束時間は13時間(17時間+1時間-4時間)となります。もちろん2日目の拘束時間は4時からカウントされます。

② 1日の拘束時間は13時間以内で、1日の拘束時間が13時間を超えても最大16時間までです。また1週間のうち、拘束時間が15時間を超えるのは2回までです。

③ 終業から次の始業までの休息期間は8時間以上必要です。

④ フェリー乗船時間は休息期間なので、拘束時間には含みません。

⑤ 特定日の前日と特定日の運転時間、および特定日と特定日の翌日の運転時間の平均が両方とも9時間を超えてはいけません。

⑥ 連続運転は4時間までです。連続運転4時間を超えるまでに1回10分以上かつ、合計が30分以上の運転の中断(休憩等)が必要です。

1. 誤り。上記①②③④で考えてみた場合、最大拘束時間は違反していない。

2. 正しい。上記⑤で考えてみた場合、2日目と3日目が違反となるので、交替運転者を配置が適切。

3. 正しい。上記⑥で考えてみた場合、2日目と3日目の連続運転時間が違反となるので、交替運転者を配置が適切。

 

 

(令和2年8月出題)
荷主から貨物自動車運送事業者に対し、往路と復路において、それぞれ荷積みと荷下ろしを行うよう運送の依頼があった。これを受けて、運行管理者は次に示す「当日の運行計画」を立てた。この事業用自動車の運行に関する次のア~ウについて解答しなさい。なお、解答にあたっては、「当日の運行計画」及び各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。

「当日の運行計画」
往路
○ A営業所を出庫し、30キロメートル離れたB地点まで平均時速30キロメートルで走行する。

○ B地点にて20分間の荷積みを行う。

○ B地点から165キロメートル離れたC地点までの間、一部高速自動車国道を利用し、平均時速55キロメートルで走行して、C地点に12時に到着する。20分間の荷下ろし後、1時間の休憩をとる。

復路
○ C地点にて20分間の荷積みを行い、13時40分に出発し、60キロメートル離れたD地点まで平均時速30キロメートルで走行する。D地点で20分間の休憩をとる。

○ 休憩後、D地点からE地点まで平均時速25キロメートルで走行して、E地点に18時に到着し、20分間の荷下ろしを行う。

○ E地点から20キロメートル離れたA営業所まで平均時速30キロメートルで走行し、19時に帰庫する。

 

R2.8問29画像

ア C地点に12時に到着させるためにふさわしいA営業所の出庫時刻【 ア 】について次の①~④の中から正しいものを1つ選びなさい。


① 7時00分  ② 7時20分  ③ 7時40分  ④ 8時00分

イ D地点とE地点間の距離【 イ 】について、次の①~④の中から正しいものを1つ選びなさい。


① 45キロメートル  ② 50キロメートル

③ 55キロメートル  ④ 60キロメートル

ウ 当日の全運行において、連続運転時間は「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」に照らし、違反しているか否かについて、次の①~②の中から正しいものを1つ選びなさい。


① 違反していない

② 違反している

 

 

 

 

答 ア=3 イ=2 ウ=1

 

ア 7時40分にA営業所を出庫が正しい。

A営業所からC地点につくまでのそれぞれにかかる時間を考える。
時間=距離÷速さで計算できる。
①A営業所からB地点までの運転時間=30km(距離)÷30km/h(速さ)=1時間。
②B地点で荷積み20分。
③B地点からC地点までの運転時間=165km(距離)÷55km/h(速さ)=3時間。
C地点12時に到着させたいので、12時から①から③の合計時間を引くとA営業所の出庫時刻がわかる。12時-4時間20分=7時40分

 

イ 50キロメートルが正しい。

D地点を何時に出発するかが分かると、D地点とE地点の距離が計算できる。
D地点を何時に出発するかを求めるためにはD地点に何時に到着するかがわからなければならない。
C地点からD地点までの運転時間を計算すると、時間=距離÷速さで計算できる。60km(距離)÷30km/h(速さ)=2時間。

C地点を13時40分に出発し、2時間運転してD地点に15時40分に到着後、20分休憩。D地点を出発するのは16時になる。

D地点からE地点の距離を計算する。距離=時間×速さで計算できる。2時間(運転時間)×25km/h(速さ)=50km。

 

ウ 違反していない。
※連続運転時間の問題を解く基本的な知識
・連続運転は4時間までです。連続運転4時間を超えるまでに1回10分以上かつ、合計が30分以上の運転の中断(休憩、荷積み、荷下ろし等)が必要です。

A営業所を出庫しC地点まで運転時間は4時間である。B地点で20分の運転中断(荷積み)があり、C地点で20分の運転中断(荷下ろし)がある。運転時間が4時間を超えるまでに合計40分の運転中断があるので、違反していない。

C地点を出発してからE地点まで運転時間は4時間である。D地点で20分の運転中断(休憩)があり、E地点で20分の運転中断(荷下ろし)がある。運転時間が4時間を超えるまでに合計40分の運転中断があるので、違反していない。

E地点を出発してからA営業所までの運転時間を計算すると、20km(距離)÷30km/h(速さ)=0.666時間、違反していない。

 

(令和元年8月出題)
運行管理者は、荷主からの運送依頼を受けて、次のとおり運行の計画を立てた。この計画を立てた運行管理者の判断に関する次の1~3の記述のうち、適切なものには「適」、適切でないものには「不適」の判断をしなさい。なお、解答にあたっては、<運行の計画>及び各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。

(荷主の依頼事項)
A地点から、重量が5,500キログラムの荷物を11時30分までにD地点に運び、その後戻りの便にて、E地点から5,250キログラムの荷物を18時30分までにA地点に運ぶ。

<運行の計画>
ア 乗車定員2名で最大積載量6,250キログラム、車両総重量10,930キログラムの中型貨物自動車を使用する。当該運行は、運転者1人乗務とする。

イ 当日の当該運転者の始業時刻は6時00分とし、乗務前点呼後6時30分に営業所を出庫して荷主先のA地点に向かう。A地点にて荷積み後、A地点を出発し、一般道を走行した後、B料金所から高速自動車国道(法令による最低速度を定めない本線車道に該当しないもの。以下「高速道路」という。)に乗り、途中10分の休憩をはさみ、2時間40分運転した後、C料金所にて高速道路を降りる。(B料金所とC料金所の間の距離は240キロメートル)その後、一般道を経由し、D地点には11時00分に到着する。荷下ろし後、休憩施設に向かい、当該施設において11時50分から13時00分まで休憩をとる。

ウ 13時00分に休憩施設を出発してE地点に向かい、荷積みを行う。その後、13時50分にE地点を出発し、一般道を経由し往路と同じ高速道路を走行し、その後、一般道を経由し、荷主先のA地点に18時10分に到着する。荷下ろし後、営業所に18時50分に帰庫する。営業所において乗務後点呼を受け、19時00分に終業する。

R1.8問29画像

1. B料金所からC料金所までの間の高速道路の運転時間を、制限速度を考慮して2時間40分と設定したこと。

2. 当該運転者は前日の運転時間が9時間00分であり、また、当該運転者の翌日の運転時間を8時間50分とし、当日を特定の日とした場合の2日を平均して1日当たりの運転時間が改善基準告示に違反していないと判断したこと。

3. 当日の運行における連続運転時間の中断方法は改善基準告示に違反していないと判断したこと。

 

 

 

 

 

答 1.=不適  2.=適  3=不適

1. 速さ=距離÷時間で計算できる。
240km÷2と40/60時間=90km/h。
車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上の車両は、高速道路の制限速度は80km/hである。時速90キロで走行する計画は適切でない。

計算の仕方の例は、2時間40分(分で考えると160分)を分数にすると、2と40/60=160/60、20で割れるので8/3。240km÷8/3=240km×3/8(掛け算にすると分数は逆になる)=90km/hとなる。

 

2. ※問題を解く基本的な知識
特定日の前日と特定日の運転時間、および特定日と特定日の翌日の運転時間の平均が両方とも9時間を超えてはいけません。

①前日の運転時間=9時間00分
②当日の運転時間=9時間10分(特定日)
③翌日の運転時間=8時間50分
①と②の運転時間の平均は9時間5分。
②と③の運転時間の平均は9時間00分。

特定日の前日と特定日の運転時間、および特定日と特定日の翌日の運転時間の平均が両方とも9時間を超えていると違反となる①と②の運転時間の平均だけ9時間を超えているので違反とはならないので適切。

 

3. ※問題を解く基本的な知識
合計4時間を超える運転の前に、1回10分以上かつ、合計が30分以上の運転の中断(休憩等、荷下ろしも含む)が必要。

復路のE地点を出発してからA地点に到着するまでの運転が違反している。
E地点を出発からの運行計画を考えると、
1時間運転(一般道)→1時間20分運転(高速道路)→10分休憩→1時間20分運転(高速道路)→30分運転(一般道)→A地点到着となる。
合計4時間10分の運転時間で10分しか休憩がないので違反となる。

10.「危険予知訓練(長文)」に関する問題

「危険予知訓練(長文)」は令和元年8月の試験で問30で出題されていて問題用紙2枚分となっています。【交通場面の状況等】を読んで把握→「運転者が予知すべき危険要因の例」と「運行管理者による指導事項」が直接ふさわしく効果がある選択肢を選ぶ、という流れの問題です。
問題文の性質上、1問1答にしておりません。

 

(令和元年8月出題)
運行管理者が運転者に対して実施する危険予知訓練に関する次の記述において、問題に示す【交通場面の状況等】を前提に、危険要因などを記載した表中のA、Bに最もふさわしいものを【運転者が予知すべき危険要因の例】の①~⑤の中から、また、C、Dに最もふさわしいものを【運行管理者による指導事項】の⑥~⑩の中からそれぞれ1つ選びなさい。

R1.8問30画像-1

R1.8問30画像

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【運転者が予知すべき危険要因の例】
① 右折時の内輪差による二輪車・原動機付自転車などの巻き込みの危険がある。

② 横断歩道の右側から自転車又は歩行者が横断歩道を渡ってくることが考えられ、このまま右折をしていくと衝突する危険がある。

③ 車幅が広いため、右折する交差点で対向車線へはみ出して衝突する危険がある。

④ 右折時に対向車の死角に隠れた二輪車・原動機付自転車を見落とし、対向車が通過直後に右折すると衝突する危険がある。

⑤ 急停止すると後続車に追突される危険がある。

 

【運行管理者による指導事項】
⑥ 対向車の速度が遅い時などは、交差点をすばやく右折し、自転車横断帯の自転車との衝突の危険を避けること。

⑦ スピードを十分落として交差点に進入すること。

⑧ 対向車があるときは無理をせず、対向車の通過を待ち、左右の安全を確認してから右折をすること。

⑨ 交差点に接近したときは、特に前車との車間距離を十分にとり、信号や前車の動向に注意しながら走行すること。

⑩ 交差点内だけでなく、交差点の右折した先の状況にも十分注意を払い走行すること。

 

 

 

 

 

答 A=2 B=4 C=8 D=10

A ②がふさわしい。「運行管理者による指導事項」から考えると、横断歩道の右側から自転車・歩行者の危険予知するのが最もふさわしい選択肢である。

B ④がふさわしい。「運行管理者による指導事項」から考えると、対向車の死角になる二輪車等の危険予知するのが最もふさわしい選択肢である。

C ⑧がふさわしい。「運転者が予知すべき危険要因の例」から考えると、対向車との衝突を回避する指導が最もふさわしい選択肢である。

D ⑩がふさわしい。「運転者が予知すべき危険要因の例」から考えると、右折先の危険状況を回避する指導が最もふさわしい選択肢である。



11.「事故防止の指導・事故の再発防止対策(長文)」に関する問題

「事故の防止の指導(長文)」は令和2年8月の試験で問30で出題されていて問題用紙2枚分となっています。「死亡・重傷事故の特徴」を読む→「事故の主な要因」を読む→「事故防止のための指導」にふさわしい選択肢を「事業者及び運行管理者が実施すべき事故低減対策のポイント」から選ぶ、という流れの問題です。

問題文の性質上、1問1答にしておりません。

 

(令和2年8月出題)
平成28年中のトラック(最大積載量5トン以上)による死亡・重傷事故について、事業用自動車の交通事故統計及び自動車事故報告規則により提出された事故報告書に基づき、下記のとおり、事故の特徴やその要因についての分析結果が導かれた。この分析結果をもとに、【事業者及び運行管理者が実施すべき事故低減対策のポイント】の中から【事故防止のための指導】として、A、B、Cに当てはまる最も直接的に有効と考えられる組合せを下の枠内の選択肢(①~⑧)からそれぞれ1つ選びなさい。なお、解答にあたっては、下記に記載されている事項以外は考慮しないものとする。

 

R2.8問30画像

 【事業者及び運行管理者が実施すべき事故低減対策のポイント】
ア 右折するときは、対向車に注意して徐行するとともに、右折したその先の状況にも十分注意を払い走行するよう運転者に対し指導する。

イ 運転中は前方不注視となるのを防ぐため、喫煙や携帯電話の使用などは停車してから行うよう運転者に対し指導する。

ウ 右折するときは、対向車の速度が遅い場合などは自車の速度を落とさず交差点をすばやく右折するよう運転者に対し指導する。

エ 大型車などは、内輪差が大きく、左側方の自転車や歩行者を巻き込んでしまう危険があることから、慎重に安全を確認してから左折するよう運転者に対し指導する。

オ 右折時に対向車が接近しているときは、その通過を待つとともに、対向車の後方にも車がいるかもしれないと予測して、対向車の通過後に必ずその後方の状況を確認してから右折するよう運転者に対し指導する。

カ 運転者の飲酒習慣を把握し、必要と考えられる運転者に対し、運転者の画像が確認できるアルコールチェッカーを運行時に携帯させ、随時運転者の飲酒状況をチェックできるようにする。

キ 衝突被害軽減ブレーキを装着したトラックの運転者に対しては、当該装置は、いかなる走行条件においても、前方の車両等に衝突する危険性が生じた場合には、確実にレーダー等で検知したうえで自動的にブレーキが作動し、衝突を確実に回避できるものであることを十分理解させる。

ク 二輪自動車は車体が小さいため速度を誤認しやすいことから、右折の際は、対向する二輪自動車との距離などに十分注意するよう運転者に対し指導する。

ケ 左折するときは、あらかじめ交差点の手前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、できる限り道路の左側端に沿って徐行するよう運転者に対し指導する。

コ 伝票等の確認は、走行中はわき見が原因で事故につながる可能性が高いことから、安全な場所に移動し停止した後に行うよう運転者に対し指導する。

サ 交差点を左折するときに、その進路の前方にある横断歩道を横断しようとする歩行者がいる場合は、当該横断歩道を徐行し、かつ、できる限り安全な速度と方法で進行するよう運転者に対し指導する。

シ 左折する際は、左折前の確認に加えて、左折時にも再度歩行者や自転車等がいないかをミラーや直視で十分確認するように運転者に対し指導する。

 

 ①アウオ    ②アウク    ③アオク    ④イカキ
 ⑤イカコ    ⑥イカサ    ⑦エケサ    ⑧エケシ


 

 

 

 

 

答 A=5 B=3 C=8

 

まず【死亡・重傷事故の特徴】と【事故の主な要因】を読んで把握→【事業者及び運行管理者が実施すべき事故低減対策のポイント】の選択肢から【事故防止のための指導】として最も直接的に有効と考えられる選択肢の組み合わせを選ぶ。

ア Bの事故防止のための指導として最も直接的に有効と考えられる。

イ Aの事故防止のための指導として最も直接的に有効と考えられる。

ウ 有効ではない指導である。右折するときの指導としても適切ではない。

エ Cの事故防止のための指導として最も直接的に有効と考えられる。

オ Bの事故防止のための指導として最も直接的に有効と考えられる。

カ Aの事故防止のための指導として最も直接的に有効と考えられる。

キ 有効ではない指導である。また衝突被害軽減ブレーキの説明としても間違いである。

ク Bの事故防止のための指導として最も直接的に有効と考えられる。

ケ Cの事故防止のための指導として最も直接的に有効と考えられる。

コ Aの事故防止のための指導として最も直接的に有効と考えられる。

サ 有効ではない指導である。横断歩道を通行する場合の指導としても適切ではない。

シ Cの事故防止のための指導として最も直接的に有効と考えられる。

 

 

12.「空走距離・制動距離・車間距離の計算(長文)」に関する問題

空走距離・制動距離・車間距離の問題は最近出ておりませんでした。当ブログの調べでは、前回の出題は平成27年3月でした。

問題文の性質上、1問1答にしておりません。

(令和2年8月出題)
高速自動車国道において、A自動車(車両総重量8トンの事業用トラック)が前方のB自動車とともにほぼ同じ速度で50メートルの車間距離を保ちながらB自動車に追従して走行していたところ、突然、前方のB自動車が急ブレーキをかけたのを認め、A自動車も直ちに急ブレーキをかけ、A自動車、B自動車とも停止した。A自動車、B自動車とも安全を確認した後、走行を開始した。この運行に関する次のア~ウについて解答しなさい。   

なお、下図は、A自動車に備えられたデジタル式運行記録計で上記運行に関して記録された6分間記録図表の一部を示す。

R2.8問28画像

 

ア 記録図表からA自動車の急ブレーキを操作する直前の速度を読み取ったうえで、当該速度における空走距離(危険認知から、その状況を判断してブレーキを操作するという動作に至る間(空走時間)に自動車が走行した距離)を求めるとおよそ何メートルか。次の①~②の中から正しいものを1つ選びなさい。なお、この場合の空走時間は1秒間とする。

①15メートル    ②20メートル

 

イ A自動車の急ブレーキを操作する直前の速度における制動距離(ブレーキが実際に効き始めてから止まるまでに走行した距離)を40メートルとした場合、A自動車が危険を認知してから停止するまでに走行した距離は、およそ何メートルか。次の①~②の中から正しいものを1つ選びなさい。なお、この場合の空走時間は1秒間とする。

① 55メートル  ② 60メートル

 

ウ B自動車が急ブレーキをかけA自動車、B自動車とも停止した際の、A自動車とB自動車の車間距離は、およそ何メートルか。次の①~②の中から正しいものを1つ選びなさい。なお、この場合において、A自動車の制動距離及び空走時間は上記イに示すとおりであり、また、B自動車の制動距離は35メートルとする。

① 25メートル  ② 30メートル

 

 

 

 


答 ア=2 イ=2 ウ=1


ア A自動車が1秒間に走行する距離を考える。A自動車の空走距離はデジタル式運行記録計から急ブレーキをかける直前の速度は70kmをやや超えているので約70kmとする。70,000m(70km=70,000m=1時間に走行する距離)÷3,600秒(60分×60秒、1時間を秒単位にする)=約19.44メートル、およそ20メートルである。問題文もおよそ何メートルか。と書かれているので、およそ20メートルが答えとなる。

イ およそ60メートルが答え。A自動車が危険を認知してから停止するまでに走行した距離(停止距離)=空走距離+制動距離。アより空走距離はおよそ20メートル+40メートル(制動距離)

ウ およそ25メートルが答え。車間距離50メートルを保って走行していたので、この車間距離にB自動車の制動距離を加算し、A自動車の停止距離を引いて求める。 50+35-60=25